死神の微笑み <27> - 2003年04月01日(火) おにぎりを全部口の中に放り込んで、ペットボトル入りの暖かいお茶を飲んだ。 コンビニで買ったときはもっと暖かかったはずなのに、少し冷えてきていた。 一度ペットボトルの蓋を閉めて、本屋で買った2冊の文庫を取り出した。 店の人が丁寧にかけてくれた紙のブックカバーを外して、題名を見た。 とても読みたくなるような題名ではなかった。 題名だけならば、ミステリー好きのおばちゃんでも考え付きそうな題名だった。 一ページめくってみた。 そこには再び題名が小さく書かれていた。 とても読む気にはなれなかった。 次のページには目次が書かれていた。 目次だけを読みながら、内容を想像した。 主人公紹介→事件発生→探偵ごっこ開始→第2の事件→行き詰る→解決→追求→主人公ピンチ→逮捕 僕の中で、この事件は1分で解決してしまった。 そこには奥深さがまったくなかった。 もう一ページめくって一行目を読もうとしたがやめた。 読む気になれなかった。 本を閉じて、海を眺めながら考えた。 人々はなぜ、殺人事件が起きるこの話に夢中になれるのだろう。 ミステリーの中では人が何人も死ぬ。 現実で人が死ぬとみんなはあんなに悲しがるのに、話の中で死んでも平気なのだろうか。 死においても現実と架空を区別できるほど、人々は器用なのだろうか。 それにミステリーの中では、「死」は主人公の鮮やかな殺人トリック解明の道具にしか過ぎないのかもしれない。 「死」というもの自体が、ものすごく大きな意味をもっているはずなのに、ミステリーでもっとも優先されるのはトリック解明だ。 「死」が薄れている。 「死」の実感がない。 その時、僕の中の「違和感」は激しく暴れた。 今までにない勢いで、体中を動き回った。 光のような速さで動き回り、今度ばかりは本当に肌を突き破ってでてきてしまうかと思うほどだった。 でも同時に、僕には確信があった。 −僕は確実に核心に近づきつつある− 実は、連載を続けながら、自分の文章にビクビクしていたりする。 読めば読むほど、文章にまとまりがない気がしてくる。 特に、このあと少女のことについて長々書くくせに、主人公の過去は数行で済ませている。 最初、この二人は完全に別々に書き分けているのに、二人が会う度に二人の境界線が無くなっていくわけです。 途中は少女の話になってしまっているし。 まぁ、それも悪くないんだろうけど・・・。 ふぅ〜・・・ほんと難しい。 ...
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