死神の微笑み <29> - 2003年04月03日(木) 次の朝、僕はあまりの寒さで目が覚めた。 目が覚める、その一瞬前までずっと深い眠りについていた。 夢さえ見ないほど、穏やかな眠りだった。 TVをつけると、朝の情報番組をやっていてスポーツ新聞の見出しを使いながら、有名アイドルの恋愛発覚で盛り上がっていた。 しばらくすると、「続いては、お天気コーナーです。」と司会者らしき男性が言い、画面がいきなり真っ白になった。 その画面の右側から、女性が少しずつでてきて、スタジオの司会者となにやら会話を交わしていた。 画面中央に立った女性の後ろは真っ白だったが、よく見るとそれは雪だということがわかった。 雪が積もってる。 それは膝下まで積もっていた。 −すごいなぁ−とただ呆然としていた。 愛媛にいたときはもちろん、大阪でも雪は降っても積もることは年に数えるほどしかない。 純粋に綺麗だと思った。 雪国に住める人はきっと幸せなはずだ。 だって冬になれば毎日こんな綺麗な景色を見ることが出来る。 TVに女性の後ろに映っているのはどこかの商店街だった。 ときどき、後ろの方で腰を曲げながら雪の上を器用に歩いているお年寄りが見られた。 すっかり車体を白く塗り替えられてしまった何台かの車が、注意深そうに通り過ぎていった。 画面の右上の方に、「生中継」と表示されていて、その下に「新潟市内」と書かれていた。 −へぇ、新潟か− 僕ははっと気づいて、窓の方を見た。 窓は白く、僕の心は思いっきり喜ぼうと準備をした。 しかし、窓には白いカーテンがひかれていて、それはまるで鉄のカーテンのように僕に外を見せまいとしていた。 僕は慌てて窓に駆け寄り、一息ついたあと、重い鉄のカーテンを一気に開け放った。 外は真っ白だった。 まさに白銀の世界だ。 唖然とした。 僕の中は空っぽになってしまったんじゃないかと思うくらい、体は何の反応もできなかった。 道にはもちろん、木にも家の屋根にも電信柱のてっぺんの小さい所にも雪は積もっていた。 街は十分過ぎるほど白で見事に統一されていた。 それはまるで図書館の本棚のように、あいうえお順でジャンル別にきちんと整理されているように完璧に見えた。 10秒経ったか1分経ったのかわからないが、それくらいの時間を経て、僕の心は喜びを表すようになった。 あの笑顔の素敵な駅員が言っていたことを思い出した。 −ここは最高です。だって、朝起きて窓を開けると、一面雪景色ですよ?− 僕が文を書くという行為に、一体どれだけの意味があるのだろうか。 僕が書いた文に、一体どれだけの力があるのだろうか。 僕が描いた物語に、一体どれだけの価値があるんだろうか。 そういう風に思っても、きっと僕はまだしばらく書き続けるんだろうけど。 なんかちょっと考えすぎだなぁ。 神経質になりすぎてる。 犯罪を追跡した番組がやってたんだけど、 下着泥棒とか自殺とかストーカーとか・・・う〜ん、みなさん大変ですね。 ↑人事かよ 富士の樹海って入ったらマジで出てこられないんですか? まっ、いろいろ考えるのは、もう少ししてからにしよっと。 ...
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