風の行方...深真珠

 

 

死神の微笑み <35> - 2003年04月09日(水)

こういった種類の沈黙を体験したことは初めてで、心はものすごく戸惑っていた。
このまま消えてしまうかもしれない。
−それも悪くない−
この沈黙を破ったのはまたしても少女だった。
「あなたがもし、本当に感動しか感じていないなら、この前言っていた違和感に近づくことはできないと思う。諦めなさい。」
前とは違って、まるで僕を諭しているかのような口調だった。
「諦めることなんてできないよ。」
最後の力を振り絞ってやっと出た言葉のようで、それはまったく力強くなかったし、当たり前のように説得力も持ち合わせてなかった。
「長い話になるから、どこかで座って話した方がいいと思う。」
と少女は言った。
僕はまたしても不意をつかれて「あっ、うん」としか言い返せなかった。
少女は僕の返事を聞くと、「じゃあ、行きましょう」と言い、反転して、どこかへ歩き出した。
僕も少女のあとを追うようにして、白い浜辺を後にした。

少女は迷う様子もなく、近くにあった喫茶店に入った。
僕は店に来るまで必死に少女の後を追っていた。
急いで歩いて、やっと少女と同じスピードに追いつけるといった感じだった。
雪道で急いで歩こうとすることは思いのほか大変だった。
少女が歩いている後姿を見ると、まるで雪の上を滑っているかのような華麗さがあった。
そしてその姿はさながら妖精のように見えた。
僕らは窓際の席に向かい合って座って、少女はオレンジジュースを頼み、僕はミートスパゲティとコーヒーを頼んだ。
店内は暖かく、遠くで流行のラブソングが流れていた。
店内の雰囲気とラブソングの相性はそれほど悪くなかったが、僕らとラブソングの相性は最悪だった。
もともと僕とラブソングの相性がよくない。
生まれつきラブソングが似合わないのだ。
世の中にはそういう人間もいる。
少女は窓の外を眺めていた。
少女にラブソングは似合っている気がした。
注文した物が届くまで、少女は一言も声を出さなかったし、同時に僕も声を出さなかった。
少女はずっと窓の外を見ていたし、僕は出された水を飲み干し、ウエイターがもってきたおしぼりをいじくりまわしていた。


相変わらず続いてます。
長いなぁ・・・。
やっぱmyHPもって、そこに載せたほうがいいのかなぁ。
長々語りつつ、いろいろ書きたいんですが、ずいぶん制限されてて(汗)

貴志祐介氏の「天使の囀り」という文庫本を読みました。
かなりおもしろかった。
まぁ、ちょっと難しいところもあるけどね。
この人は、「青の炎」(←今、公開中だっけ?)を書いた人でもあります。
やっぱ映画見るよりも、小説読んだほうがおもしろいと思います。
今度、バトロワの小説を書おうと心に決めてる深真珠でした。

INDEXを見ると、題名が全部死神の微笑みってでるようになったんだけど、
訳のわからない威圧感があるのはナゼ?



...




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