文化祭で、稲G君、留mちゃん、私が一つのグループをつくり、ショーを企画した。稲G君をモデルに仕立て上げたファッションショーのようなものだった。稲G君は、サッカー推薦で有名高校に入れる位のスポーツマンで、カッコよかった。ファッションを見せたいわけではなく、どちらかといえば稲G君を全面に押し出したショーだった。 しかし、終わってみると、大幅な赤字だった。私は稲G君に、足りなくなったお金をどうにかしろと責めたりしたが、彼も頑固なのでゆずらない。留mちゃんは、稲G君がわりと好きなので、愚痴は言っていなかったが、内心は不満そうだった。少なくとも、私の前で、稲G君をなじってはいなかった。2人の間には、特別な感情があるらしかった。