2002年06月21日(金) |
【勇敢なるガガンモの最期。】 |
さぁ今日のお話はガガンモちゃんが主役です(笑)
ガガンモとはなんぞや。 はい、蚊のでっかい王様です。 いやもぅでかいのなんの。両手の親指と人差し指で丸作って。 その中にスッポリ収まるくらいデカイのよ。
夕べ、ねーちゃんの部屋から悲鳴が。 「この子どうしよう〜」 ベッドの上にて堂々と、己の存在理由を提示する誇らしげな姿。 まぁ立派なガガンモ大佐。 幼少の頃、よく遊んでもらったものです。
夜も更けて、外は暗いので、お帰り頂くのも不親切。 悪魔の使いのるんちゃん(推定3歳)は、ががんも大臣のお命頂戴することに決定。 「せめてピンクの美しいやわらかな紙で包みましょう」 あわれガガンモちゃん、人生最大のピンチです。
ガガンモとして生を受け。 彼には彼の人生がありました。 生まれた頃から神童とさわがれ、武芸に秀で、民間の家柄でありながら王宮に仕えて以後は、お国のために命を捧げてきたのです。
そんな彼を妬む者もあり。 なんと恐ろしい、ぴんぐら帝国の偵察へと送り込まれることになりました。 彼を尊敬する者達は、口々に止めました。 彼の許嫁は涙を流し、留まることを願いました。
けれどガガンモは。 周囲の反対を押し切り、いざ単身、悪の城へと乗り込んだのです。 曲がったことが大嫌いなガガンモ君は、玄関からぴんぐら城へやってきました。 ぴんぐら城は、いつでも鍵が開いているので忍びこむのは簡単です。
彼はまっすぐ、るんちゃんのお部屋を目指しました。 ところがウッカリ、お隣の、ねーちゃんのお部屋に行ってしまったのです。 就寝前のねーちゃんと目が合い、その瞬間ガガンモは、自分の命が残り少ないことを悟りました。
彼は後悔しました。 なんて自分は愚かだったのか。 なぜ、このようなおそろしい場所に足を踏み入れてしまったのか。 今更悔やんでも、もう遅いのです。
今まで出会った全ての人の顔が浮かびます。 おとうさん、おかあさん、先立つ不幸をお許しください。 許嫁のメリージェン(17歳) この任務が済んだら、鈎取神社で挙式する予定だったのに、約束を守れなくてごめんね。
仕えた王様。志半ばで達成できず、申し訳ありません。 王宮に住む全ての人たち、今までありがとう。 自分をこころよく思わず、何度もいじわるをしたムム神官にも、ありがとう。 自分の命はここで終わるが、きっと志を継ぐ若い意志が、いつかピングラ帝国を滅ぼしてくれるに違いない。
ガガンモちゃんは恐れません。
人の心をもたないるんちゃんは、鼻歌混じりで詰め寄ります。 右手には、キティちゃんのトイレットペーパー。 なんと、これにガガンモちゃんの身を包み、水流の刑に処すつもりなのです。 鬼!悪魔!!
るんちゃんは、ねーちゃんに言いました。 「勇敢なるガガンモちゃんの生き様、しかと見届けよ〜♪」
ぷちっ
哀れ、ガガンモちゃんは魔の手に墜ちました。 けれど騒がず逃げず、立派な最期でありました。
「生きるということは征服すること」 るんちゃんは、悪の帝国を築き上げるつもりなのです。 「弱き者は常に、征服されたがっている」 おそろしい悪魔の申し子なのです。
「征服することは奪うこと」 ガガンモちゃんの命をうばい、るんちゃんの魔力が増幅します。 「奪うことは与えること」 ガガンモちゃんの戦いはおわりました。あとは安らかな時間が包むのです。
ガガンモちゃんの生きた意味は、ありました。 この後もガガンモちゃんの遺志を継ぎ、ピングラ帝国の滅亡を叶える者が必ず現れることでしょう。 強力なるんちゃんの魔力に負けない、強い力をもった勇者が、必ず現れることでしょう。
立派なガガンモちゃんの最期に感動したねーちゃんは、 「ガガンモちゃん〜♪」 彼のことを後世に残すため、歌って広めることにいたしました。 眠る前、歯を磨きに一階へ下りて、 パソコンという魔法の箱の前で呪文を唱えるるんちゃんママにも伝えました。
「虫、嫌い。きもちわるい話しないでちょうだい」
ねーちゃんガックリ! それを見ていたるんちゃんは、お腹を抱えて笑い転げるのでした。 やっぱり悪魔だ(笑) 〜おしまい〜
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