カウントシープ
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夜の散歩から帰ってきて、晩御飯を作ろうかななどと考えていた頃。 普段は聞きなれない音が聞こえてきた。
それは最初、外の車のドアを閉める音だと想像された。 ところが2度、3度と続いたので、今度は犬の悪戯だと思ったが、犬は3匹とも傍にいる。今散歩に連れて行ったばかりで悪さをすることもないか、と思いなおし、次は猫を何処かの部屋に閉じ込めたのか?と考えた。が、猫はいつもの定位置、我が家で一番良い椅子の上で怠惰なポーズをとって寛いでいる。
ボクはセコムのブザーを片手に(これを押すとセコムの警備員がやってくるというもの)、相方は護身用のぼうっきれを片手に、家中電気をつけて見回り始めた。ウォークイン・クローゼットを開けた時、表に出して飾っていない人形達と視線が合って、まさかこの子達が?などとチラリと思いつつ探索してまわった。
音の正体は、屋根を滑り落ちる雪の音だった。 何のことはない、普段しない音がしているのだから、普段はないものを考えれば直ぐに想像つくことだったけれど、氷柱のひとつも見たことのないこの土地では新鮮な音だった。
翌朝、子犬がポーチで吠えているので何だろう?と思ったら、落ちてくる雪と戦っていた。まだ世界の何事にも興味が湧く年頃なんだろうな。
ロビン
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