カウントシープ
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2005年03月19日(土) ターナーの機関車



昔、山下達郎の音楽をよく聴いていて、今でも時々聞く。好きな曲は沢山あるけれど、ボクがタツローを好きになったのは、「ターナーの機関車」という曲(アルバム「アルチザン」に収録されている)。その曲の解説に、ターナーの絵からインスピレーションを得た、と描いてあったので、ボクは見たこともないターナーの絵を勝手に想像していた。
ボクの空想の機関車は、夜汽車だった。子供の頃「夜汽車」という寂しいメロディの曲を聴いてから、ボクの中では機関車は夜に走るもの、という感じが強いのだけれど、とにかく暗闇の中を走る汽車、しかも絵はシュールリアリズムっぽいイメージだった。

実際のターナーの絵は「雨、蒸気、スピード−グレート・ウェスタン鉄道」という1844年の作品で、何処かで見かけた方はこの絵がとても印象的なものであるとご存知だろうが、ボクはこんな絵は今まで見たことがなかった。ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナーは、とても素晴らしい風景画家で、その作品に描かれ続けた光は、大気を通過するときの煌きや靄をも映し出しているようだ。

ボクは、何かを通過してくる光が大好きだ。大気を通過してくる光、雲を通り抜けて降りてくる光、布を透けて届く光・・・輝くものはいつも美しくそして触れられないところにあるべきだ。


ロビン