カウントシープ
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2005年04月11日(月) 紅い果実

たまに仕事が集中する日があって、今日はまさにその日だった。もともと忙しいからお昼を食べれないなぁと思って、お弁当に林檎を一個持っていったけれど、その林檎を齧る時間もないまま勤務時間を過ぎてしまう始末。持ち運んだ分林檎が傷んだだけだった。

ボクは、今日一日が忙しくて大変なことを知っていたから、お気に入りのものに力を分けてもらおうと思って林檎を持っていたのだけれど、知恵の実である林檎は反面では人間の原罪の象徴でもある。

BOSCH(ボス)が描いた「快楽の園」の中では、果実として苺らしき赤い実が描かれているけれど、エデンを追放されるきっかけになった知恵の実は、通例林檎とされている。ボクの感覚では林檎は清潔すぎて、どちらかというと苺のほうにエロスを感じるから、ボスの描いた快楽の園−天国と地獄−に溢れる紅い果実にとてもリアリティを感じてしまう。

「快楽の園」はその謎めいた雰囲気からとても有名な絵だけれど、美しいなかに不気味さが漂い、一見明るい色調さえも禍々しい。同じボスの描いた絵に「愚者の船」という絵がある。ボクは小学生の終わりか中学生になりたての頃にこの絵をみて、以来ずっと忘れられない。


ロビン