カウントシープ
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2005年04月13日(水) 鍵の開かない日記帳

ボクは子供の頃に一冊だけ日記帳を自分で買ったことがある。その日記帳は鍵がついていて、買ってきたのはいいけれど、ボクはその日記をひらくことができなかった。

困ったボクは両親にそれを診てもらった。鍵は無事開いたけれど、それでその日記帳の存在が親にばれてしまった。

ボクはしょっちゅう失敗ばかりするドジな子供だった。それほど悪意はなかったけれど、“ついうっかり”沢山失敗した。夕方が過ぎて暗くなるころまでに窓を閉める言いつけを忘れたし、遊びに夢中になって決められた時間内に帰ってこれなかった。宿題を忘れたし、勉強も親の望むレベルには上手くできなかった。

そういうとき、その日記帳が活躍した。

「私は悪いコです」

沢山そう書いて許しを請うた。涙でしわができて見るのも嫌になった日記帳は、ベッドの下にしまいこんだけれど、ここぞというときにはいつもそれを持ちだされて書かされた。買った時からずっと鍵が開かないままだったらよかったのに、と思ったけれど、鍵を開けてもらったのも自分で、こんなつもりで日記帳を買ったわけじゃなかったけれど、今思い出すことは、もうそんなに辛くない。


ロビン