カウントシープ
index|past|will
東急ハンズの半地下で、飛行機の解体およびパーツの切り売りをしていた。その飛行機は2人乗りの戦闘機で、汚れ具合からすると実際に空を飛んでいたようだ。どう見てもガラクタとしか呼べない断片から、プロペラの一部、操縦席のメーターの部分などが結構な額で売っていたが、どれも家に持ち帰ったら奥さんに速攻で捨てられそうなガラクタ具合だった。
+++++
その夜夢を見た。 この世界は、現実と夢の2つの世界でできていて、夢の世界もちゃんと実在している、という設定だった。普通夢は夢が覚めたらそこで終わりだけれど、その夢の世界はずっと続いて終わらない世界だった。
夢の世界は美しいけれどどこか不気味な世界だった。流線型が主体の世界でつかみどころがなく、光が当たらないような場所には何かが蠢いているような世界で、ボクと相方は夢の世界の住民だった。
時々現実の世界に出向くのだけれど、そのときはカヌーのような船にのった。その船は、まるで戦闘機のように武装されていたけれど、もう古くてきちんと武器としては使えるか解らないような船だった。
現実の世界から夢の世界に戻る時は、ちょっとした高みから飛び降りなければならなかった。飛び降りるとき、心を研ぎ澄ませて水面に着地すれば、足元には船ができるが、心が乱れていればそれは只の黒いゴムボートの出来損ない見たいなのになって、ぐにゃりと曲がって水に落ちてしまうので、ボクは一生懸命船をイメージして飛び降りなければならなかった。
ある日、現実の世界から夢の世界に、ボクの母親が1人でやってくる。母親はうつ病に掛かっていて元気がなくて、ボクは『ああやっぱりうつ病になったか』と思う。(※これにはちゃんと背景があって、ボクの祖母は気がふれて何度も自殺未遂をしたうえに死んでいる。母親は自分もいつかおかしくなるのではと、若い頃から恐れている)悲しくなりつつもとりあえず母親を連れて現実の世界に連れて行って置いてくる。
現実の世界と夢の世界はともに保たれなくてはならない。だが、夢の世界は常に不安定で、現実の世界もまた脆い。お互いの世界が侵食しあって世界が悪い方向に向かっていく気配をひしひしと感じながら、ボク達は世界をいい具合に保つには、『ラ』の音と、『レ』の音と『ミ』の音が必要であると感じ取る。だが、3つの音をどう扱ったらいいのかが解らない。音は近づいて共鳴しあい、もう少しで世界のバランスは取れそうだが・・・
というところで目が覚めた。
ロビン
|