カウントシープ
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二年ちょっと前に今の家に引っ越したときには、ボク達はまだ植物のことをよく知らなかった。周囲に何か植えますか?と聞かれた時、そんなに手の掛からないものを少し、と答えたら、手は掛からないがどんどん増殖していく植物が植えられていた。
手入れの仕方がよく解らないまま、二年をかけて植物は伸びていった。冬には姿を消しても春になればまた芽吹き、随分賑やかになった、のはいいが、気がつけば庭は沢山の植物が絡み合う混乱状態に陥っていた。どうしたものか困り果てて、数ヶ月前、ガーデニングの設計をお願いすることにした。
ボク達に欠けていたもの、それは剪定をすることだった。ボクは、庭に生えてきた全ての植物を、葉や花を全部育てようとしていたのだ。いい植物を育てるためには、葉を切り落とし、間引いていかなければならないことに考えが及ばなかった。
庭に何を植えようか、友達に話した。友達が沢山か 「これからは、全部を助けようと思わないとよいかもしれませんよ」
そう言ってくれた友達の言葉が頭を何度もめぐった。
ロビン
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