カウントシープ
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久しぶりに海を見た。というよりこの日ボクの居た場所が島だったので、周囲はぐるりと海だった。
ボクは海のない県出身のせいか、海にたいしては結構な憧れがある。ちょうど沖縄出身の相方が雪に思いを馳せるように、ボクは海を想像力を膨らませてイメージする。相方から聞いた子供の頃の話と、一緒に沖縄についていったときにみた海の光景とがあいまって、いつの間にかボクの中でも海といったらエメラルドグリーンの沖縄の海を思い浮かべるようになった。
それと比べたら、何処の海だって色あせて見えてしまう、比べるほうが間違っているってわかっているけれど、沖縄の海は綺麗で光っていて暖かかくて、綺麗な魚がウヨウヨしていて、とても綺麗だったのだ。
ホテルから港まで10分程度の道を歩いた。道のいたるところにフナ虫がいて、最初は気持ち悪くて大騒ぎしていたけれど、あんまり沢山いるのでそのうち慣れてきた。フナ虫はどちらかというと向かってこないで遠くに逃げてくれた。港には釣り人がチラホラいて、野良猫が何匹もいた。皆よたよたしていて、何となく哀愁漂う猫達だった。
船着場に何か落ちているので、近づいてみたらヒトデのミイラが沢山干してあった。多分船についたかなにかが邪魔だったので、とってアスファルトの上に放っておいたのだろう、綺麗に星型のまま干からびたヒトデは、何だか「銀河鉄道の夜」に出てきたサギのお菓子を思い出した。
海を見ながら、海が見たいなとぼんやり思った。 せっかく島まできたのに、夜更けまで飲んでいたら星を見損ねて、起きたら朝になってしまって、更に不完全燃焼気味の島の思い出になった。
ロビン
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