カウントシープ
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2005年06月27日(月) リンドウ

ある人が、ボクの手にある電子辞書を見て、「りんどうを引いてごらんなさい」と言った。ボクは、言われたとおりに「りんどう」を引いてみて、彼の視力に合わせて字を拡大してみせた。

「ほら、ごらんなさい。りんどうには毒があるのです」

彼の言うとおり、リンドウ(竜胆と書く)は有毒の植物だ。その毒性を生かして強心剤や利尿剤としても使い、また香水の原料にもなる。花は白色の壺状の姿をし、果実は赤く、赤褐色の根は苦い、と広辞苑に書かれているが、別の辞書で見る限り、花は青紫っぽい色もあるようだ。

彼はその後もリンドウにまつわる思い出話をしてくれたが、内容は理解できなかった。彼は、若い頃に気がふれてしまっているのだ。

だが、彼がボクに教えてくれることは何時だって正しい。
以前、彼はボクに「テレビはいけません」と言った。「テレビは、本当のことは流しませんから。どれが嘘でどれが本物かわからないでしょう」と言われ、何となく納得した。
また、別の機会に彼は、「パソコンは怖いといいますが、怖いのはパソコンではなくてそれを扱う人間なのです」とも言った。車だって、怖いのは運転する人間ですよ、と彼は付け加えた。

リンドウの話をしてくれた御礼を言うと、彼は「毒物学の本を読んだまでです」とにやりと笑った。


ロビン