チャイコフスキーのくるみ割り人形の第二幕には、チョコレート、コーヒー、金平糖といった食べ物の妖精が踊る小さな曲が続く。それぞれ、スペインの踊りとかアラビアの踊りとか、中国の踊りとかいう異国のサブタイトル(?)がつけられているが、実際にこれが中国っぽいか、アラビア風かといわれるとけしてそうでもない。これは、当時(1800年代後半)チャイコフスキーが、訪ねたことのない遠い異国を想像して書かれたものなのだ。遠い、といっても、彼の祖国ロシアと中国は隣接している。だが、ロシアは確実にヨーロッパに歩み寄っていき、あまり東洋の文化と交わることはなかったのか?いずれにせよ、微妙に異国情緒が漂うこれらの曲は、なかなかユニークで面白い。いつか、バレエを見てみたい。花のワルツのステップとか、すごく見てみたい。