
道標|≪過去を見つめて|あさっての方向へ≫
夢を見た。
私は愛・地球博開場跡地に居た。
その敷地面積いっぱいに広がるクズ鉄を必死に押さえ込んでいる。 クズ鉄はキチンとワイヤーか何かでまとめられていたのだが、 私のミスでバラバラに崩れ落ちたとのこと。
クズ鉄はとにかく巨大だ。両手でどうこうできるものではなく、 全身は包まれているようなひどい重さを感じる。 苦しい。思い。とにかくつらい。
だが私の中のよくわからない漢気パワーはMAXだ!
「みんな、ここはまかせてけろ(何故か山形弁丸出し)!!」
ワイルド7で言うならヘボピー、男塾なら富樫、 キン肉マンで言うなら捨て駒ジェロニモ的なポジションなのが 謎だが、とにかく、私はその巨大な鉄塊と向き合い、必死に 格闘していた。
数時間、鉄と向き合い、なんとかタコ糸で鉄塊をひとくくりに するのに成功したものの、「この先どうしよう」と途方にくれた所で 目が覚めた。 ひどくリアルな夢で、しばらく現実か夢か区別がつかなかった。
全身汗でびっしょりだ。
眠りにつけば夢を見る。トイレに起き、床に入れば 鉄と格闘する。何度か繰り返す。 全身が重く、腕があがらない。
部屋までの階段で、足が動かずへたりこんだ。 床が体にひんやりと気持ちいい。 自分の体重が二倍にも三倍にも感じられ、重力に逆らえず 息遣いの荒いままとにかく這った。
このまま死ぬかもしれない。死ぬ。 死ぬのは怖いな。 怖い。
夜中であることもオバケが出そうなことも怖くなかった。 とにかく死ぬのが怖かった。
モネの鳴き声で目が覚めた。実際には母の「モネが逃げた!」という 叫び声だった。結構な一大事だが体が起きない。起き上がれない。 全身に鈍器で殴られたような鈍い痛みが走る。 階下でモネの観念したような情けない声が上がり、安堵して まぶたを閉じる。
会社休んだ。
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