xxxxxx 表面張力(仮)

虚実入り乱れても記録
20010802--



2003年08月08日(金)

きっぱりとした終わり

 とてもとても愚かだ。そんなことは分かっていたつもりだったけれど。

 メールをした。その方がすっきりするじゃんと何がすっきりするのか分からないまま自分に言い訳して携帯からメールを送った。こちらは朝。多分、向こうは夜だ。まだ研究所にいるだろう時間帯。
 すぐに返事が携帯に。横で夫がぐっすり眠っている。着信音を消して、光だけで着信が分かるようにして。姑息。
 奴の文章はとてもとても他人行儀で、それは現在の私達の関係なら当然だろうと思う、きちんとした社会人の文章で。ただ少し、研究所での出来事やこれからのコトの書かれ方が当時の雰囲気を残している。彼の感情は何も語られないまま、周囲のコトだけで終始したメール。
 何通かやりとりをして終了。それ以来、何もしない。当然、奴の方からは何もない。あるはずもない。


 無視されることなく、そして速攻の返事から考えてもきちんと相手にしてくれたことは確かだ。それ以上のことは知らないし考えないけれど。
 自分のコトはとてもよくわかった。ような気がする。

 私は、きっぱりと終われていなかったのだ。
 終われないまま終わった気になって。そのまま放置していて。それはもう執着なのか妄執なのか別なモノに変貌しているような。分からないけれど。


 人ときっぱりと別れるなどということはそんなに簡単ではないだろうし、意識的に別れることはそんなにないように思う。
 多くの別れは行事や出来事の狭間に何気なくやってきていて、そのまま別れを迎えてしまった後に「ああもう会うこともないのだろうな」ということに気づく。イベントのように行われる別れの儀式は特に別れそのものではなく。
 大事な(大事だった)人との別れはかなり意識的であることが多いのだろうけれど、それだってそんなにきっぱりと別れることなんてあるだろうか。私の性格なのか、基本的にフェードアウトなのでよく分からない。
 会わなくなって、メールや手紙のやりとりもなくなって、だんだんと。

 だから奴ともきっぱりちゃっきり終われなかった。
 向こうで女ができようとなんだろうと、なんとなく寄せられる好意(それが残り香であったとしても)が感じられる限り、私はどうしても自分の中で終われなかった。どこかで、何か、気づいてくれないだろうかと。最初から、本当に最初から諦めていたコトだというのに。
 ばかだなあ。

 まあでも、これで「すっきりする」ものが何かということは分かった。そしてそれはすっきりした。文章とか、その間の空気とかで。そして自分の心境で。
 よかったんじゃないか。空港で別れてからちょうど2年が経った、いい区切りで。




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