xxxxxx 表面張力(仮)

虚実入り乱れても記録
20010802--



2003年08月11日(月)

ドラマの種

 床に転がりうとうとと、眠りに落ちていくその一歩手前の状態で大学生の頃を思い出した。
 夫が私のことを好きになったというその場面。当の本人は酔い潰れていたので鮮明な記憶はないのだけれど、それでも泣きじゃくる私を優しくなだめていた夫の手はなんとなく覚えている。
 普段は特に泣き上戸なわけでもないのだけれど、その飲み会が飲み会で、スピリタスを小さなコップで数杯飲まされた。その後の記憶はおぼろげで。
 その頃は泣く理由なんて山のようにあった。人前で泣くコトなんて恥ずかしくて基本的にしなかったのだけれど、それでもスピリタスの威力には負けた。泣きじゃくる、という言葉がぴったりの泣き方だったように思う。
 そんな女を見てよく好きになったなあと感心するけれど、まあどこにドラマの種が落ちているのか分からないということで面白い話ではある。個人的には感謝感激てトコロだし。

 彼の話を聞いた時、そういうことって本当にあるんだなあとしみじみ思った。
 それまでの人生では、自分で意識的に行動したことで色々なコトが決定していたから、何気ないというか無意識というか何の関心も払っていなかった状況で何か将来が決定したなんてことはなかったのだ。勿論、それ以外にもたくさんの「将来を決定する」ことはあったのだろうことは分かっているけれど、なんというか、きっかけというものがこのようにふとしたコトで蒔かれるコトに驚いたのだ。
 色々なことをしでかしてきたけれど、夫とのこの始まりが一番ドラマティックだ。そう思うと少し可笑しい。


 寝ぼけながら夫に「大学の頃を思い出したよぉう」と話すと、くしゃくしゃに笑ってゲームの手を止めて私の頭を撫でた。そして寝ぼけでぐらぐらの私を抱えるようにしてベッドに連れて行く。



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