| 2001年11月17日(土) |
山田風太郎「忍法創世記(山田風太郎コレクション2)」(出版芸術社2001.9.10)読み終える。 |
山田風太郎「忍法創世記(山田風太郎コレクション2)」(出版芸術社2001.9.10)読み終える。他の本に振り向かせない忍術の力がせいか、いつも多少は平行して別の本を読むのだが、今回はこれのみ一気読みだった。後半はさすがに傑作とはいいがたいテンポとアイデアで退屈な部分も出てきた。それでも途中から登場した十五歳の牢姫と「牢の御剣」の非情な魅力が物語を救って、ふさわしい結末を作った。まるでクリスティがあらかじめ執筆しておいたポアロの最後の事件ようだ。作者は死しても作品は残る。週刊誌連載からおよそ三十年後、しかも作者が死去してから蘇えった忍法「不死身」のごとき作品ともいえる。見事である。 山田風太郎の作品を読み出すと危険である。つい夢中になって他の本を読めなくなってしまう。 今日購入した本。 佐野眞一「私の体験的ノンフィクション術」(集英社新書2001.11.21) 今机の上にある本。 北方謙三「風樹の剣」(新潮文庫) 山本周五郎「艶書」(新潮文庫) 火坂雅志「西行桜」(小学館文庫) 佐藤友哉「フリッカー式」(講談社ノベルス)
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