| 2001年11月27日(火) |
エリザベス・ヘイドン「ラプソディ」(早川FT文庫)をちらっと読んで冒頭で驚く。 |
エリザベス・ヘイドン「ラプソディ」(早川FT文庫)をちらっと読んで冒頭で驚く。こんな始まり。「時間編集装置に向かって仕事を始めたメリディアンは、レンズを調節して透き通った巻き糸を調べた。過去のははっきりした太いフィルム状、未来のはもやもやした細い糸、というように密度が異なっている。」まるでコミックのような荒唐無稽な設定を笑う者はどうぞ遠慮なく笑いたまえ、私はそのSF的荒唐無稽な描写にしびれた。遠い昔「タイム・トンネル」という海外ドラマがあった。一種のタイム・マシンで「現代」にある転送装置に時間旅行者(放浪者)の存在が同調すると大画面に時間旅行者たちの姿が映像となって現れるという場面を思い出した。「ラプソディ」ではさらにとんでもないことが起きる。画面を止めてそこに映し出した人間に一種の目薬をさすのだ。最初の数ページだけでその設定に随分と驚かされた。野暮用でこの続きは当分読めそうにないが、期待出来そうな物語である。
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