読書日記

2002年01月11日(金) 宮部みゆき「ドリームバスター」(徳間書店)を読み始める。

宮部みゆき「ドリームバスター」(徳間書店)を読み始める。作者が稀有な語り手であることは万人が認めるところ。この作品ではさらに現代において突出した語り手であることを証明しようとしている。
本の作りそのものが前作の「模倣犯」よりも読みやすい純粋な娯楽小説であることを示し、読者の購買意欲や読書欲を刺激している。また、表紙を見て逆に敬遠する人が少なからずいるのではないかと疑うほど軽い。ここにも「ハリー・ポッター」の影響があるのだろうか。帯の「アクション・ファンタジー」という言葉にそれを感じた。宮部みゆきが本気を出したら「ハリー・ポッター」など問題にもならない。ファンタジーに専念すればファンタジーの女王になるはずである。
「模倣犯」は長大な物語だった。
この「ドリームバスター」も同じくらいの分量になってから分厚い一冊、または分厚い上下巻で出して欲しかった。まだ、最初しか読んでいないが「やめられない物語」になっている。あのスティーヴン・キングのように迫力ある本の姿で登場してほしかった。
今、何を語っても面白い物語になる作家の最新作。表紙や裏表紙を無視して読むべし。


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