| 2002年03月06日(水) |
クリフォード・ストール(訳=倉骨彰)「コンピュータが子供たちをダメにする」(草思社)をちょっと。 |
クリフォード・ストール(訳=倉骨彰)「コンピュータが子供たちをダメにする」(草思社)をちょっと。 書いてある内容は題名の通り。ただし「子供」の部分を「大人」と替えても良い。現代社会におけるコンピュータと人間の関わりを真剣かつ地道に論じている。また、筆者はコンピュータを知り尽くした上でその功罪の「罪」を丁寧に解説しているので説得力がある。しかし、今の日本もIT革命やIT産業などが世の中を席巻しつつあるので、読む人によっては目新しいことは何も書かれていない平凡な本ということになる。 それでも、コンピュータの「功」の部分を十分踏まえた上で人の生活により大きな影響を及ぼしている「罪」の部分を真っ正面から見据えて論じ一冊にまとめた点にこの本の第一の意義がある。技術的にコンピュータを話題にすることがあっても、生きている人間の生活やその生活の中で日々波立っているこころとの関わりでしっかり論じたり考えさせてくれるまとまったものは意外に見当たらないものである。 現在、日本の学校の中で「情報教育」が導入されつつある点からいってもこの本を読む意味はあると思う。 「カッコウはコンピュータに卵を産む」は抜群に面白い読み物だったことを思い出した。この本は「抜群」ではない。静かにこころして読むのがいいようだ。
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