| 2002年04月09日(火) |
永井龍男「電報」(新潮文庫「青梅雨」1969/05/15発行2002/06/20改版所収)を読む。 |
永井龍男「電報」(新潮文庫「青梅雨」1969/05/15発行2002/06/20改版所収)を読む。 これは家族を持とうとしない男の話。三十五、六歳の働き盛りの男が列車内で五年前に別れた女を目撃する。女は男の連れがいて二人は途中の熱海で下車する。 その直後、女に電報が届いている旨の車内放送が入る。女が階段を降りていくのを見ていた男は自分は知り合いだから電報の内容を女のところへ打ち直してもよいと申し出る。 そして見せられた電文は男の詮索心を満足させるものでは全くなかった。 むしろすべてを知っている者にからかわれたような気がする男だった。 十ページ程度の小品で、見事にオチのつく小気味よい作品である。 短い作品しか読めない日が続く。 味わいの深い作品があって良かった。
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