2003年02月07日(金) |
コニー・ウィリス(訳=大森望)『航路(下)』(ソニー・マガジンズ) |
コニー・ウィリス(訳=大森望)『航路(下)』(ソニー・マガジンズ 1800円22002年10月10日初版第1刷発行 10月24日第2刷発行p434)
下巻は一気読みできた。 主人公ジョアンナが、さらに思いがけない人物との出会いによって謎の真相にぐぐっと接近するが・・・・・・というわけで、さらに七転八倒、七転び八起きのドタバタ騒ぎの果てにえーっという驚愕の展開になる。 そのとき、キュートなリチャードのとった行動は、 泣ける。 下巻は、感動てんこもり、といったら嘘つきになるが、ある部分からはじっくり確実に読んでいくのがよい。 結末は、奇妙もしくは驚き。 村上春樹の『海辺のカフカ』(新潮社)よりもドライだが、結末を比較すると『航路』の方がウエットかもしれない。 単純に不思議な感動があることとその絵柄がセンス・オブ・ワンダーそのものだから。手抜きなしの「本格」である。
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