| 2003年02月16日(日) |
山村修『遅読のすすめ』(新潮社) |
山村修『遅読のすすめ』(新潮社1300円発行2002年10月25日p173) 新刊本病に罹患している現代日本でゆっくり読んだり、すでに一度ならず読んだ本を読み直したりするのは邪道というより概念としてすでに存在していないことになっている。 本に対する分裂的症候群に陥っている人々への、この本は一つの処方箋である。 本が何冊あろうとも心静かに好きな本をじっくり読み、好みの文章を味わう。 読書の基本を確認できた。 夏目漱石から吉田健一を経て倉田卓次・北村薫まで著者の心遣いはゆきとどいている。
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