2001年12月09日(日)
県道74号線を南下してきて
いつしか袋小路のなかをさ迷っていた
鬱蒼とした岨道が車幅すれすれに続き
引き返すにも回転できない
どう行けばいいのかな?ー 行くしかないんじゃない?ー
シダ植物に覆われたトンネルの先に
車を止め
小さな懐中電灯を照らす
地図を覗き込む彼女の前髪が
かすかな香りと共に僕の額に触れた
もう、どこにいるのかどうでもいい
時が止まってー
このままでいい
走りまわって
どちらに進むか意味もない
もはや
隔絶された土地の中で
二人して
いたいけな姿を晒すだけのひと時ー
やがて
意を決して入っていった道の奥に薄黒く淀んだ湖が
出現した
ーみどり湖ー
僕はこの湖を一生忘れない
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