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「乙一のススメ」と「スタンド・バイ・ミー」 2001年09月10日(月) せっかくいっぱい書いたので、兄へのメールより抜粋。----------------------------------- 最近お気に入りなのは、前回書いたけど、乙一(おついち)。 デビュー作がジャンプノベル大賞で「夏と花火と私の死体」(集英社文庫)というミステリ。 この作品が話題になったのは、彼が執筆時16歳だったことと、"死体になった少女の一人称"だったこと。 綾辻や小野不由美なんかが絶賛してる。 基本的には幼い兄妹が死体をどうやって隠し続けるかというサスペンスなんだけど、独特の雰囲気がある。 ずっと読んでみようと思ってて、実際読んだのは最近。でも、これじゃあ私はファンにならなかったな。同時収録の「優子」も、ミステリなんだけど、どうにも後味が悪くて好きになれなかった。 でも、その後読んだ「きみにしか聞こえない」(角川スニーカー文庫)ではまった。 短編が3本入ってるけど、タイトルになってる「きみにしか聞こえない」がすごいいいの。 あらすじを書くのは難しいんだけど、時間もののSFかな? もしかして展開が読めるかもしれないけど、そんなこと関係なく、終わった後、じーんとくる。泣ける。 で、これではまったので、もう一冊スニーカーで出ていた「失踪HOLIDAY」も読んでみたんだけど、これもよかった。こっちは短編と、タイトルになってる中編の2本。 短編は「しあわせは子猫のかたち」というタイトルで、引っ越した先に幽霊がいて同居を始めるはめに…という話なんだけど、これまたじーんと泣かせる。(でも最後はなぜか推理もの) 「失踪HOLIDAY」は、大金持ちの娘(でも血はつながってない)が、家出して、さらには狂言誘拐をするはめになる話。(←日本語おかしいかな?自分が誘拐されてるフリするって意味だよ。「大誘拐」みたい?) この主人公の女の子が、態度でかいんだけど、なんだかかわいいんだよね。家出する理由も身勝手に描かれてるんだけど、その裏の気持ちが伝わってくるの。 これも、展開は読めるかもしれないけど、おもしろい。読んでてワクワクする。 あと、「石ノ目」というホラー短編集(と書いてある。ホラー界の俊英だって)が集英社の新書で出てるけど、入手困難かも。 「石ノ目」はちょっとホラーっぽい気もするけど、あとの話は全然ホラーじゃない。でも私はホラーじゃない「はじめ」と「BLUE」がオススメ。 「BLUE」とか、ぬいぐるみが主人公で、これは童話か?って思うんだけど、なんだかじーんとくるんだよね。不思議。 「天帝妖狐」(集英社文庫)は、最近文庫で発売されたばかり。 この話が一番ホラーっぽい。私はいまいちだったけど、独特の暗さがあるので、もしかしてお兄ちゃんは好きかも? どの話も泣かせるくせに、ほっとあたたかい気持ちになる。 女の子の一人称が多くて、作者は理系の学生で、ちょっと文章が独特だけど、不思議な雰囲気があって、読ませる。短編ばっかりだし、読みやすいと思う。 ぜひお兄ちゃんにも読んでみてほしいなあ。絶対好きだと思うんだ。 恩田陸は、私は大好きだけど、お兄ちゃんには合わないかなと思うから、そんなに強くはすすめないもん(笑) でも、乙一はお兄ちゃんも好きだと思う。 なんか、ほろりとくる感じが。 ----------------------------------- 話は変わって。 「できちゃった結婚」を見終わった後、BS2でやっていた「スタンド・バイ・ミー」を途中から見る。なんとなく好きで、機会があるごとに見てしまう映画。 途中からだったけど、陸橋を歩いて渡っていたら汽車が来てしまって追いかけられるという、好きなシーンが見れたので嬉しかった。夜の闇の中、クリスと主人公が話すシーンも、すごく印象的。話しながら泣き出す、まだ幼いリバー・フェニックスがなんとも…。 ラストで曲が流れ出すと、じーんとくる。 でも、実は私がこの映画でいちばん好きなシーンは、少年二人が街を歩きながら、ふと沈黙の後に、後ろ足で相手のお尻を蹴り合うシーン。なんとも言えず微笑ましくて大好き。…なんだけど、今日は見損ねてしまった。 明日は「ニードフル・シングス」をやるらしい。 うちにはこの本が上巻だけある。(古本屋で働いてた時に、廃棄処分になるやつをもらってきたのだ。だから上巻だけ) いつか読もうと思ってそのまんまだったんだけど…、予告を見るとこれはホラーだったのか?? なんか、血みどろのカットがあった。 「欲しいものがなんでも出てくる、不思議な骨董屋」と、帯には書いてあるので、ファンタジーっぽい話かと思ってたんだけど。BS2の予告では「魂をかけてでも欲しいものがありますか?」というようなあおりが入っていた。 欲しいもの…ねえ。。 (でも、設定がどんなに好みでも、話が好きだとは限らない。むしろ裏切られることの方が多いんだ) そういえば、スティーブン・キングとは全然関係ないんだけど、骨董屋で思い出した。月9の次のドラマ、「西洋骨董洋菓子店」だったっけ? これって、よしながふみの原作? 読んだことないんだけど、そういうタイトルだったような。 もしそうならば、そんなの(というと失礼だけど。貶してる言葉ではないのはわかってもらえるだろうか)が月9に進出していいんだろうか…。と、ちょっと思ったのさ。 |
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