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死にぞこないの青/乙一 2001年10月13日(土) 旅というほど旅でもなかったので、今日は何を持っていこうかちょっと迷った。グインにしようか迷ったんだけど、やっぱりこっちを読みたかったので。薄めだったから行きの電車で読み終わっちゃった。やはりもうちょっと厚いのを持っていくべきだったか。それに、読み終わってちょっとせつなくなっちゃって…(笑) なんというか、身につまされます。でも、こういう感情を感じない人間の方が、多いんじゃないのかな? 小学5年生になって、新しい先生がやってくる。先生は大学を出たばかりの新任。 マサオは内気で人に話しかけるのが苦手。先生はそんなマサオを、クラスのスケープゴートにした。他の子が授業中騒いでも、宿題を忘れても、すべてがマサオのせい。クラスメートまでもが、すべてをマサオのせいにし始めた。そうすることでクラスの平和は保たれていた。 すべての蔑みを受け止めなければいけなかったマサオは、ある日不思議な男の子を目にする。上半身に拘束服、口を紐で縫われ、片耳がなく顔は傷だらけ。そして、肌の色は真っ青。マサオは彼のことをアオと名付けた。アオはマサオにしか見えなかった。 追いつめられていく感じ、目をそむけたくなるような嫌悪感ではなく、なにか研ぎすまされていくような悲しさと孤独感があって、読み終わってやるせなかった。とても、おもしろかった。 あとがきで、今までミステリ的なオチを求められてるんじゃないかとか、ラストで感動させなければとか思っていたと書いてあった。なるほど、今までそんな感じがする。でも、そうじゃなくてもちゃんとおもしろい。これからもがんばってほしい。 あと、顔が青いというの、作者は何かあるんだろうか。以前にも「BLUE」という、青いあまり布で作られたために真っ青な顔色になってしまった人形の話があったから…。 |
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