「『夢・出会い・魔性』の感想」 一般には言わずと知れない(読書家は知っているのか?森博嗣の世間の認知度のことはよく分からない)、森博嗣著のミステリである。 通称Vシリーズと呼ばれる作品群の4作目がこの度文庫化され、購入するに至った。
VシリーズのVとは、瀬在丸紅子という主人公の頭文字である。 ただ、メインキャラは他にもおり、そのシリーズではストーリー中、大抵紅子を含んだ4人が一緒に行動を共にしている。 その4人の掛け合いは面白い。 ミステリ本編よりも面白いと思う部分もある。 今回の4作目に限って言えば、ミステリの本筋はあまりミステリっぽくはなかった。 ただし、それは本来の既成概念のミステリという言葉に含まれる意と比べると、という意である。
本筋がミステリらしくない変わりに、今作では、人間という存在自体がミステリなのでは?ということが強調されていたように思う。 それがどういうことなのか? それは言葉にはし辛い。(説明することから逃げた、と捉えてもらっても間違いではない)
言葉が伝えられるものには限りがある。 それでも、この小説では、人という存在の不安定さを伝える事に成功しているように思う。 ただ思っているだけなのかもしれないが。(と疑ってみる手もある)
「忘れられない」 どうやら何事も忘れられないようである 人っていう生き物は どうでもいいことに限って
人は平均的にみれば 明らかに100年前の自分達より 身体能力が低下している
昔はとにかく余裕がなかった 多くの民は田畑を耕さなければ 生きてはいけなかった
今はそうでもない 汗水流さなくても 生きていくのに必要なものは手に入る
昔から現在に至るまでの推移を思えば 人はどうやら強制的に体を動かすことに 耐えられなくなっていることに気づく
趣味の程度に動かす分にも たかが知れている 昔に比べれば
今は情報も豊かになり 効率よく体に良い運動を行えるようになった ストレッチなんか運動とはいえないような動きである
昔に比べれば 今の人間の身体能力なんて 忘れられない思い出の欠片ようなものだ
運動するという習慣が忘れられないから 懐かしがって 趣味の程度に動こうとするんだ
―END―
ついしん 「コミュニケーション」 喋っても伝わらないことは多分にあり 喋らなければほとんど何も伝わらない ただ 伝えなくてもいいこともあるし 伝えることが良いことであるとも限らない
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