気まぐれ日記
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2003年07月25日(金) |
ガートルードのレシピ |
最終巻がおいてあった。即購入。少女漫画はあまり読みませんが、うちの数少ない少女漫画の一冊です。悪魔物とか弱いかも。 今日は、ティママンという魔族です。伝説の英雄などど歌われてますが、どうってことないです。
ずうっと昔を振り返る。千年以上いや、その倍だったか。 この世界に取り残されて、魔物と戦い体を失って、しゃーないからあらかじめ自分にあう体を作ったまではいい。それから千年以上もたってそれが生まれたが、そいつの我の強さといったら、もう。入り込めたはいいが、ぜんぜんコントロールが効かない。 そのコントロールが効くようになった。かなり後味が悪い。こいつが自殺をしたからだ。自分の剣で自分の胸を刺した。必ず死ねるところを。 俺はすぐに傷を治して姿を消した。もちろん大騒ぎになった。なぜならこいつは騎士で、主人を、一国の王を死なせたからだ。遺体が消えて見せしめがなくなった。 「ふう」 俺はとりあえず人の入りそうもない森に潜んだ。 「お久しぶり」 「オフィーリスか」 「まんまと体を手に入れたわね」 「ああ、このまま人間として年食って死んじまうところだった」 「ティママン、しばらく魔界に帰るといいわ」 「そうだな」 「その剣は、おいていかないの?」 ビアソーイダの紋章が彫られた剣を指していった。 「ああ、もらっておく。俺の剣は預けたままだからな」 「幽霊って信じる?」 「はあ、信じるも何も、存在するだろ」 「そうね。じゃあ彼に会って」 切り株に腰掛けた男がいる。死に装束の赤い髪の男。そう、奴が一国の王であり、こいつの、元この体の持ち主の主だ。 「ありがと。もし、あのまま遺体があったら、きっと彼は……酷い事になっていたかもしれない。だから……俺の騎士になるのなんかやめろって言ったんだ……」 奴は消えた。そして切り株には誰もいない。ただ、涙が一滴切り株を濡らした。 「オフィーリス」 「何?」 「幽霊でも、何か残すことができるんだな」 「そうね」
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