気まぐれ日記
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2003年08月08日(金) ああ、面倒な話を書いてしまった

 どうなることやら。勢い任せなんですよ、草は。
 最近家族してハイジ(アルプスの少女ハイジ)見てます。再放送でなくレンタルで借りて。いろいろ家族で突っ込みいれながら見てます。楽しいですね、ハイジは。もともとは、何故ハイジは爺さんのとこに行くことになったのか? じいさんとハイジは血がつながっているのか? などなどの疑問があったため。

 部屋に戻り、いすに座った。夏目は疲れたような顔をしている。着慣れない背広のネクタイをはずしていた。
 「お話します。私は……妖精です」
 「うん、それで」
 尾崎がせかした。それを夏目は目で制した。
 「ゆっくり、わかりやすく頼むよ、セリナ」
 「はい、トーマ様。この話をマスターにすることができるのうれしい」
 「うん、俺も。セリナのことがわかるなら」
 セリナは、放し始めた。
 自分は、その昔人間たちがいろいろなものを信じていたころ、妖精として生まれたことを。
 「今の人間たちは、妖精を信じていない人の方が多いから……ううん、妖精というものを知らないから、妖精である私はやっとの思いで存在しているの」
 セリナの話からすると、妖精は人間が信じることによって初めて存在することができる。しかし、今の人間たちには妖精は忘れられた存在であり、セリナはやっとの思いで存在している。
 「でも、もし、妖精がこの世界からいなくなると、大変なことが起きる。女王はそれを望まない。でも、今の女王は目覚めるほどの力はないの。全部人間たちに吸い取られて……」
 「ねえ、あの機械はなんだ? あれが原因なのか?」
 夏目は口に出した。女王が納まっているガラスケースから伸びた無数のコードはあの部屋に一面とある機器につながっているのがまだ頭から離れていない。
 「はい。あれでこの会社のドールのエネルギーを蓄えているんですよね、尾崎さん」
 急に振られても尾崎にはぴんと来なかった。なにしろ、今日初めてそれを見たのだから。
 「女王は地からエネルギーを得ています。まずあの中から出してあげてください」
 「しかし、どうやって?」
 と、森。セリナの話は彼にもついていけない部分がある。
 「女王の本体は、人間でいうと魂みたいなものです。あれは入れ物みたいなものなんですよ。私も、そうですから」
 「セリナ、じゃあ……」
 「はい、トーマ様。一度言ってましたよね。私を、妖精が宿っているみたいだって。その通りなんですよ」
 
 やっとの思いで彼女は復活した。しかし人間たちには自分の姿は見えない。それはこの世界で行動するには、不便すぎた。彼女はさまよい続けた。このままでは力尽きて、またこの存在が消えてしまうかもしれない。
 「なにか、ない?」
 セリナは良くわからず、闇雲に建物に入った。そして、偶然見つけた。抜け殻のような人間を。少なくとも彼女にはそう思った。
 生きているようにも見えない。この人間は若くして死んでしまったんだと思った。しかし、そのそばにいた男は、うれしそうにその人間を「セリナ」と呼んでいたので、違うと判断する。
 男が何かした。とたんにその人間は起き上がって、「おはようございます」と言った。
 



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