気まぐれ日記
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2003年08月13日(水) あの日がやってきた。

 もうすぐ夏コミですね。……友人が参加します。草は行きませんが、その友人にオ使いを所望しました。地元にはまったくといってよいほどない本があるんでしょうなあ。

 あるとき彼女は、わずかに戻った自分の能力をもとに女王を見つけることができた。そして、夏目にせがんでその場に連れて行ってもらった。
 図書館は静かで別世界だった。夏目の部屋にもないほど本があった。でも、眺めてばかりではいられない。彼女はすぐにわかった。 
 「このドアの先……」
 
 起動停止時も小型カメラで女王を探した。夏目を殴ったあの男は許せなかったが、彼女にとっては女王の方が優先であった。それでもプログラムは夏目を優先しようとする。だから女王の捜索は進まなかった。再起動後、やっと女王を見つけることができた。そして、目覚めさせる方法を聞いた。

 「私を人間に移しなさい。この体はなくなりますがあなたのマスターとともに生きることができます」

 
 「そんなわけで、トーマ様。女王を受け入れてください」
 「……」
 夏目は黙った。妖精とともに同じ体で生きる。それがどういうことなのだろうかと考えた。
 「あのままでは女王は、消滅してしまいます」
 「女王がいなくなるとどうなるんだ」
 「それは、あなたが一番知っているはずですよ、トーマ様」
 夏目はまた黙った。森と尾崎はまだ、女王の存在を信じられないでいる。 「妖精は……夢と現実の間で生きる」
 夏目が疲れた声で言った。
 「だから妖精がいなくなると、この世界は現実のみとなる」
 夏目はさらに続ける。
 「現実ののみの世界は、色のない味気ない世界。つまり、想像がなくなる」
 「そんなものがなくたって生きていけるのでは?」
 尾崎が言う。
 「それが、俺にとっては商売上がったりだ。小説も学説も想像が必要だ」
 「医学も進歩しないね。あれは想像……仮説をたてて、患者を良いほうへ導く。ドールもそうだ。これは空想を現実にしたものだろう」
 「それだけじゃない。今の女王は全植物を守っているの。だから……」
 「妖精は何かを司さどる。それが今の女王は植物というわけか」
 夏目は、自分にうなずいた。
 「どうすればいい、セリナ?」


草うららか |MAIL

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