気まぐれ日記
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2003年08月15日(金) うちの目の前が消防署

 なので、火事があったりすると放送が聞こえます。出動したりします。当たりまえだけど。八月は恐ろしいです。六日には8:15にサイレン。今日の正午にもサイレン。間近くなんでかなりびびります。それがある限り、その日が何の日であるか忘れないなあ。(九日は仕事場だったので。でも仕事場も消防署が近い)

 セリナが男の腕をつかんだ。びりっという音がする。森が、また気絶しただけだという。彼女は、セリナを動かす分、余分なエネルギーがあり、それを利用していると言う。
 「私たちは人間を殺したりしません。ちょっと、痛かったかもしれませんけど」
 と、セリナは言う。他の警備員たちもセリナをおかげで難なく突破できた。やっと、会社の外に出れたのは夕方だった。
 「もう、こんな時間なのか」
 「やれやれ、午後は休診でよかった」
 夏目がぐったりと座り込む。
 「疲れたよ」
 「腕は、たぶん大丈夫だが、一応は医者に見てもらいなさい。それで何かあればうちに連絡しなさい」
 「うん」
 森が応急処置をする。尾崎によって傷ついたところはもうなくなっていた。体が変わると傷もなくなっている。夏目はそうだった。
 「えーと、僕は部屋に戻るよ。パパに大目玉を食らいそうだ」
 「日ごろの行いが悪いからだ」
 夏目は、セリナとともに家に向かった。途中、森の紹介した病院に寄って腕を診せた。大した事ないと化膿止めなどもらって終了した。
 家に着くと、夏目は夕食をとることなく寝る用意をした。
 「おやすみ、セリナ」
 「はい、ごゆっくりお休みなさいませ」
 セリナも充電体制に入ろうとしたその時、夏目はむっくりと起きた。
 「きみまで寝てどうする」
 「……女王? いえ、先代ですね。王ですね」
 「うん、まあ、言い方は間違ってないけど。名前でいいよ、サナクロティンで。それより、なんで人間の体に入っているんだ」
 「それは、女王の意思です」
 「ああ? ルネクリシアの? なんてこった男の体に入ってもでてこれねえだろ」
 「大丈夫です。トーマ様なら」
 「なら?」
 「女の人にもなることができます」
 「なるほど、で、それで君はこの男のマスターになったわけか」
 「違います。トーマ様は私が初めて会った人間にも似ていますから」
 「……とりあえず、しばらくおとなしくしてるよ。どんな世界かよくわからないからね」
 夏目の姿をした妖精の王とやらは、引っ込んでゆき、夏目はまた眠った。
 


草うららか |MAIL

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