気まぐれ日記
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なんかもう、仕事やめたいって感じ。つーかやめたい。でも、給料もボーナスもまともにでるしなあ。金は要らないから自由がほしいってなのも。昔流行った究極の選択ってやつ?
「そうか。あんまり良くないみたいだね」 「良くない。体がだるいし。寝起きもつらい」 「はい、一日二回三日分飲みきり。ちゃんと守ってね」 森が薬の袋を置いておく。 「それと、怪しい人は家に入れたらだめだよ」 「はい」 「その点についてはセリナ君もいるから大丈夫だと思うがね」 「セリナのおかげで助かっているよ」 セリナがコーヒーを持って入ってきた。 「どうぞ、先生」 「ああ、ありがと」 森が一口飲んで、渋い顔を作った。 「……セリナ、わざとやってない?」 「そうなのか、セリナ君?」 「ごめんなさい。間違ってしまいました」 夏目はやれやれと思い、コーヒーを入れなおすように言った。 「しかし、しばらく発作がないね。あれ以来のことかね」 「うん、そうだね……」 夏目は、あの時を思い出そうとした。あまり記憶にないが、ぼんやりとだけ出てくる。しかし、すぐに消えてしまった。 「発作があったら、今あげた薬は飲まないようにね。熱は下がっているだろうから」 「はい」 「じゃ、私は失礼するよ。昼休みを抜けてきたからね」 「わざわざすいません」 「いや、気にすることはないよ」 セリナがコーヒーを入れなおしてきたのを謝り、森は夏目の部屋を出た。 「せっかく入れたのに」 「いいよ、セリナ。それを冷まして冷蔵庫に入れておいて。アイスコーヒーにでもするよ」 「はい」 次の日、夏目は女になっていた。 「こないだの時と同じか……」 寝ている間に発作が起き、苦しむことなく体が変わっている。最近このパターンが多い。何より、男に戻ったときがそうだった。 「トーマ様。また、今度は布団屋さんです」 「いらないっていっておいて」 「はい。発作あったんですね」 「うん、痛くない分楽だけど……」 これは何かの変調なのだろうか、と夏目は不安になった。
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