気まぐれ日記
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2003年08月20日(水) すさみます。

 なんかもう、仕事やめたいって感じ。つーかやめたい。でも、給料もボーナスもまともにでるしなあ。金は要らないから自由がほしいってなのも。昔流行った究極の選択ってやつ?

 「そうか。あんまり良くないみたいだね」
 「良くない。体がだるいし。寝起きもつらい」
 「はい、一日二回三日分飲みきり。ちゃんと守ってね」
 森が薬の袋を置いておく。
 「それと、怪しい人は家に入れたらだめだよ」
 「はい」
 「その点についてはセリナ君もいるから大丈夫だと思うがね」
 「セリナのおかげで助かっているよ」
 セリナがコーヒーを持って入ってきた。
 「どうぞ、先生」
 「ああ、ありがと」
 森が一口飲んで、渋い顔を作った。
 「……セリナ、わざとやってない?」
 「そうなのか、セリナ君?」
 「ごめんなさい。間違ってしまいました」
 夏目はやれやれと思い、コーヒーを入れなおすように言った。
 「しかし、しばらく発作がないね。あれ以来のことかね」
 「うん、そうだね……」
 夏目は、あの時を思い出そうとした。あまり記憶にないが、ぼんやりとだけ出てくる。しかし、すぐに消えてしまった。
 「発作があったら、今あげた薬は飲まないようにね。熱は下がっているだろうから」
 「はい」
 「じゃ、私は失礼するよ。昼休みを抜けてきたからね」
 「わざわざすいません」
 「いや、気にすることはないよ」
 セリナがコーヒーを入れなおしてきたのを謝り、森は夏目の部屋を出た。
 「せっかく入れたのに」
 「いいよ、セリナ。それを冷まして冷蔵庫に入れておいて。アイスコーヒーにでもするよ」
 「はい」
 次の日、夏目は女になっていた。
 「こないだの時と同じか……」
 寝ている間に発作が起き、苦しむことなく体が変わっている。最近このパターンが多い。何より、男に戻ったときがそうだった。
 「トーマ様。また、今度は布団屋さんです」
 「いらないっていっておいて」
 「はい。発作あったんですね」
 「うん、痛くない分楽だけど……」
 これは何かの変調なのだろうか、と夏目は不安になった。


草うららか |MAIL

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