気まぐれ日記
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2003年08月22日(金) ぱっぱっといきませう。

 今日はもう寝ます。

 夏目がスーパーマーケットの近くまで来たとき、後ろから呼び止められた。
 「もし、貴方が夏目さんですか?」
 「?」
 「そうみたいですね」
 「何か?」
 「私は、こういうものです」
 老人は名刺を渡す。そこには、あのドール会社のクイーンの名があった。名前は書かれていない。
 「……で、これが?」
 「今すぐ、ご同行願いたいのですが……無理でしょうなあ」
 「こんな人の多いところで?」
 「そうですね」
 何かを吹き付けられた。催涙スプレーのようなものを。たまらず夏目が咳き込み座り込んだ。
 「おや、お嬢さん。大丈夫ですか?」
 返事などできず、ただただ咳き込むだけだった。
 「さ、私の手をお貸ししましょう。家が近くなんで休んでいくといい」
 いつの間にかいた側近が夏目を抱えて車にのせる。周りで見ているものもいなかった。近所では有名な親切老人で通っている。夏目も抵抗できずに連れられてしまった。
 「すまないね。こんな形で呼び出してしまって」
 隣に座った老人は言った。
 やっと席は収まったが、まだぜいぜい言ってる夏目は老人を見た。
 「自己紹介が遅れたね。私はこういうものです」


草うららか |MAIL

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