気まぐれ日記
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2003年08月31日(日) 今日は日曜日なんですが

 木曜日がコンサートレポートなんで、ここでキャラ日記を。
 今日はルヴィアです。実はドラゴンです。ずっと前のセルヴェスやロイタスのことを思い出してください。すごいよ、今週、マスディスさん以外女性キャラだ。来週はフェアリードール終わらせるようにがんばるど。

 「あいつが死んでから、何年だっけ?」
 私は、高い山々から下を見下ろした。すっかり定着してしまった人間の姿から、元の姿に戻る。赤金色のうろこは自分でも気に入っている。人間らはファイアードラゴンと恐れているが、ドラゴンの中でもおとなしいほうだ。
 その昔、もっとも恐れられたのはウィングドラゴンだった。そうあいつだ。人一倍大きな体とそれよりも大きい羽を持つドラゴンだった。本気でやれば一羽ばたきで村など一掃されてしまう。まあ、そんなことは滅多でないとやらないが。
 あいつは少し変わっていた。人間たちが、好きだった。訳があって人間となったが、ドラゴンの本質的なものは変わらなかったし、天性の威厳を失わずにいたため、人間となってもドラゴンの長として余生を過ごした。そして、死んでからも人間の力となり剣となった。
 よく、言っていた。
 「人間て、すごいよな。俺たちが何百年とかけて覚えた言葉を、数年もやれば覚えるんだからな」
 それは、人間の一生が短く、一眠りが何十年という我々とは違うということだ。わかっているくせに何度も言っていた。
 「すまない、ルヴィア。お前まで巻き込んで」
 あの時は、どうしようもなかった。ドラゴンは一夜限りの夫婦なんだが、あいつは、ある雌ドラゴンに求愛中だったのだが、人間たちに殺されてしまったから、感情に流れやすいあいつは、その街を半壊した。まあ、妖精主のおかげで元に戻ったのだが、あいつは人間となり、私たちは人間の姿をしたドラゴンとなった。
 「でも、おまえは……」
 私はすっかり定着した姿に戻る。栗色の髪の人間の女に。
 「ルヴィア、そんなところにいたのかい?」
 やっと追いついてきた連れの男が言った。
 「やっと頂上だな、もう半分で山が超えられる」
 「そうだな」
 私は、どうすればいい? セルヴェス。人間が好きだったお前は、人間を愛することができたかもしれないが、この男を愛してしまった私はどうすればいい?
 「好きなら、いいんじゃないか?」
 あいつの、幻が答えたようだった。
 そんな簡単に言うな。
 私は、連れとまた歩き始めた。


草うららか |MAIL

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