気まぐれ日記
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で、その外伝話に、えげつない話をかいていたり。いえ、内容的には生きることはすばらしいとか、感動的誕生とか、そんな話なんですが……。よって、アニムは決してまともなキャラでないのです。(笑)
「はい、私は魂を静めるものです」 カルミアは立ち上がって、おばさんに一礼をする。流れるような動作で儀式めいた礼をする。 「でも、私たちをこのままにしておいて」 おばさんの言葉にアニムが驚いた。 「では、お主らは自分の存在に気づいているのか!」 「はい、そうです。少なくとも私は、ですが……」 「じゃあ、他の村の人は気づいていないの?」 「だと、思います。多分」 「詳しく、お話願いますか?」 カルミアはおばさんに席を譲った。椅子がないのでカルミアはベッドに腰掛ける。おばさんは勧められるまま椅子に座った。 「もう、何年になるかしらね。お気づきのように私たちは、夕方から夜にかけて実体を与えられて生きているんです」 おばさんの話によると、ある日突然、昼に存在することができなくなったという。おばさんがそれに気づいたのは早い時期だった。他の人々は普通に接していた。昼の話をしても畑にいた、狩りに行っていたなどの返事が返ってくる。おばさんには記憶がない。 「でも、死んだという覚えがないの。どんなに考えても、ね。私にも、他の村人にも」 「……わかりました。あなた方のことは保留にしておきます。それと、新たに対策を考えないとなりません。もちろん、この村に起こっていることです」 カルミアは続ける。 「私はあなた方を助けたい。これは私たちの使命でもあるのですから」 「ありがとうございます、巫女様」 おばさんは何度も礼を言って馬小屋を出て行った。カルミアは、ふうと息をついて言う。 「どうやら、魔族とかの仕業ですね」 「魔族? なんでだ?」 と、バルク。驚いた様子はない。 「存在を糧にする魔族がいるかもしれないでしょう? 手伝ってくれるわよね、ウォンテッダーさんたち」 「それなりの分け前が必要だのう」 アニムは、商売をするような顔になる。 「そうね、四等分よ」 「えらい巫女様だな」 「報酬はきちんともらえって、言われたのよ。お偉いさんから」 バルクはイーリスを思い出す。外見からは言いそうにもないが、実際は言うのが彼だ。 「どうやら仕事のようだな、アニム」 「久々に魔族が相手かもしれん、というか。油断はならんのう」 カルミアは笑った。あまりにも、二人が自信ありげに言うから。 「よろしく頼むわね、ウォンテッダーさんたち」
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