気まぐれ日記
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2003年10月02日(木) めっちゃさみい……

 今日は寒いです。めっちゃ風が冷たい。よく行くお店(おにぎり屋)の常連の兄ちゃんが半そでで寒いと。そんなの当たり前だよ。大阪は10月でもあったかいだろうけど、ここは北海道だよ。

 宿に戻ると、ぐったりとしたアニムとバルクがいた。
 「食事……もうそんな時間か?」
 アニムがのろのろとベッドから起き上がる。バルクと言えば眠い目を開けて伸びをしていた。
 「どうしたの? やけにぐったりしているじゃない?」
 「うーん、なんか疲れ気味なんだよ」
 バルクはふらふらと立ち上がる。
 「どうやら、クレンムチューリのせいみたいね」
 カルミアが言った。その言葉にアニムが振り向く。
 「そう、か。クレンムチューリか」
 「あなたは知っているようね」
 「ならば、バルク、これを飲むといい。効くぞ」
 荷物から薬入れを取り出し、自分とバルクの分を取り出した。
 「なんだ、これ?」
 「まあ、口の中で噛み砕くとわかる」
 バルクはとりあえず言われたとおりにした。
 「!!!」
 酷い酸味にバルクが顔をゆがめる。アニムも顔をゆがめてる。
 「なんだ、これ」
 「ノムの実を乾燥されたものだ。かなり酸味があるから頭をすっきりさせるのによい」
 ああ、なるほどとカルミアは思った。カルミアは薬になる植物や木の実などに詳しかったが、ノムの実についてはすっぱいとしかなかった。アニムはエルフなので自分の何倍もの知識を持つ親からでも教わったのだろう、エルフは人間の何倍ものそういった知識に長けているだろうと思った。
 「おかげで目が覚めたぜ。で、そのクレンムチューリってなんなんだ」
 「それは、お食事しながら話しましょ」
 「そうだ、今日一日。なにかと収入があっただろう。どうやらルイたちもな」
 宿の一階にある食堂は混み始めていた。おかげで席には座れたが、注文のをとってもなかなか来ない。飲み物だけで、四人は話し始めた。
 「ほう、そのクレンムチューリが自生していると」
 アイスティーを飲みながらアニムはうなずいた。
 「ああ、その話は俺も聞いたが……それより、あの村には今は誰一人行っていないそうだ。昨日、誰かが一人行ったと言うが……」
 バルクがちらっとカルミアを見る。カルミアがうなずいて、それは私ですね、と言った。
 「女の子たちの話を聞くと、口をそろえて、幽霊の仕業という。そう幽霊の正体を聞くと、誰も言わん。言うと呪われるなどという噂だそうだ」
 「それも聞いた。何も子供だけでなく、大の大人もそれを信じ込んでいるってよ」
 バルクはワインを一口飲んだ。南クレンムでよく飲まれているワインで、赤というより、桃色をしている。あまりの甘さに、知らずに飲んだバルクはアニムに渡した。
 「小生は酒はやらんというのに」
 「俺のおごりだ」
 「……飲む前によこせ」
 「のまねえと味がわからんだろう」
 アニムがそれを一口のみ、どうやら気に入ったらしく、もう一杯おごれと言った。
 


草うららか |MAIL

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