気まぐれ日記
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2003年10月07日(火) ゆーはばっくりんてっど

 タイトル気にしないでください。なんのことかは夕方5時くらいに教育見ればわかりますよ。多分。昨日の続き。鋼ね。作画などは丁寧なんでよろしいですよお。スタッフも「親父とマッチョしかかかない」と申しているし。

 夕方、その村に着いた。そう、この村が起き始める時間だった。
 村の人々がふらふらと出てきた。
 「これが、幻覚……?」
 「風は吹いてるよな」
 「うん」
 ほんの微風だが、ルイたちの周りには風があった。
 「違う。幻覚を見ていたのは彼らのほうだったのよ。思い出した。クレンムチューリの幻覚作用は、常用しないと……長く吸い続けないと効かないのよ」
 カルミアが突然叫んだ。
 「そして、彼らをこうしてしまったのは……」
 カルミアがそこに向かった。今夜、宿と決めていた場所。あの馬小屋に。
 「あなたが、そうしたんですね」
 その初老の女性は、四人を家に入れた。
 「何故、わかったのかしら?」
 老女の問いにそれぞれが答えた。
 「クレンムチューリがここに咲いていないからです」
 「あんただけがこの村の異変に気づいている。最初からわかっていたさ」
 「真夜中に家をでて、町に行くのね。昼間は町で過ごして、またここに帰ってくる」
 「無論、旅人がここにいるときだけのことだがのう」
 すべて、答えだった。
 「そうね、それで、わかったのね」
 「なぜ、こんなことを?」
 「寂しかった。それだけだよ」
 「たまに、クレンムチューリを育てに町へ行っていたのですね」
 「ええ、私の一番好きな花ですからね」
 「しかしよ、その幻覚は幽霊にも効くのか?」
 「私も、驚きました。まさか今日までこうして保つことができたなんて……」
 「長すぎたのですわ。もう、おやすみなさい」
 カルミアが静かに老女の頬に触れた。冷たくも暖かくもないその手を老女は触れる。
 老女が、すうっと消えた。
 「あのおばさんも、幽霊?」
 「ええ、この方の魂がここに縛られているゆえに、この村の人々もどこにも行けなかった、ってことね」
 家の中が急に暗くなる。アニムが慣れていて、手探りでマッチをすりランプに移す。周りはほこりのたまった長く使われていない家に変わった。外に出ると崩れ倒れた家々があった。
 「それでも、私たちは幻覚を見ていたのね」
 「都合のよい、幻覚を、か」
 「ところでさ、何で昼は誰もいなかったの?」
 「何を言っているの? 幽霊は夜出るものよ」
 「えー、でも。そんなのうそよ。昼でも朝でも夜でも幽霊は出るのよ」
 それがだんだん口論になってきた。口げんかになる前に、アニムが言った。
 「この国では、幽霊は夜出る。そういった常識に囚われているからのだ、ルイ。その辺にしよう。今日は」
 「野宿だ」
 バルクが火をおこすためにその辺の材木をすでに集めていた。
  


草うららか |MAIL

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