気まぐれ日記
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いや、特に明記することがないので。
申し訳ない気持ちでカルミアは食事をもらった。 「夜が明けたら町に戻って、準備を整えて近くの港町に行こう」 「そうだな。ここからだと……」 地図を広げてアニムが今いる辺りを指差す。それをすすっと移動させて一つの都市にとまった。 「ここからならよいだろ」 「あの、どこへいかれるんですか?」 と、カルミア。 「ビアソーイダだ」 「ならもう少し北にあるこの港から出たら、フォーランズまでまっすぐ行く船がありますよ」 フォーランズまでついたら、そこから定期船に乗ってまっすぐいける。 「ほう、ならばそうしよう」 「ねえ、もしかしてカルミアはフォーランズに帰るの? ならそこまで一緒だね」 「もし、皆さんがよろしければご一緒に」 「もっちろん。ね、バルク、アニム」 「ああ、俺はかまわねえ」 「小生も」 「ありがとう。本当は一人で心細かったのよ」 それは、カルミアの本心だった。 食事が済むともうすぐに四人は寝ることにする。 「皆で寝ちゃって大丈夫なの?」 「大丈夫よ、バルクなら」 「彼だって寝るでしょ?」 「ああ、俺なら気配があったら目が覚めるからな」 「へ?」 「奴と旅をする点で有益なのは野宿でもぐっすり眠れることだ」 三人は眠ってしまったが、カルミアは眠れなかった。この奇妙な三人組について行っても大丈夫だろう、と思っても不安は付きまとっていた。 仰向けになると、星空が見える。周りに明るさがないので。より細かな星が見えた。吸い込まれそうな空を見てカルミアは旅に出る前を思い出した。
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