気まぐれ日記
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2003年10月09日(木) では、行きます。

 いや、特に明記することがないので。

 申し訳ない気持ちでカルミアは食事をもらった。
 「夜が明けたら町に戻って、準備を整えて近くの港町に行こう」
 「そうだな。ここからだと……」
 地図を広げてアニムが今いる辺りを指差す。それをすすっと移動させて一つの都市にとまった。
 「ここからならよいだろ」
 「あの、どこへいかれるんですか?」
 と、カルミア。
 「ビアソーイダだ」
 「ならもう少し北にあるこの港から出たら、フォーランズまでまっすぐ行く船がありますよ」
 フォーランズまでついたら、そこから定期船に乗ってまっすぐいける。
 「ほう、ならばそうしよう」
 「ねえ、もしかしてカルミアはフォーランズに帰るの? ならそこまで一緒だね」
 「もし、皆さんがよろしければご一緒に」
 「もっちろん。ね、バルク、アニム」
 「ああ、俺はかまわねえ」
 「小生も」
 「ありがとう。本当は一人で心細かったのよ」
 それは、カルミアの本心だった。
 食事が済むともうすぐに四人は寝ることにする。
 「皆で寝ちゃって大丈夫なの?」
 「大丈夫よ、バルクなら」
 「彼だって寝るでしょ?」
 「ああ、俺なら気配があったら目が覚めるからな」
 「へ?」
 「奴と旅をする点で有益なのは野宿でもぐっすり眠れることだ」
 三人は眠ってしまったが、カルミアは眠れなかった。この奇妙な三人組について行っても大丈夫だろう、と思っても不安は付きまとっていた。
 仰向けになると、星空が見える。周りに明るさがないので。より細かな星が見えた。吸い込まれそうな空を見てカルミアは旅に出る前を思い出した。 


草うららか |MAIL

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