気まぐれ日記
DiaryINDEXpastwill


2003年10月10日(金) 転生士は……

 結構キャラバンハートにはまってますね。ところで、すごい個人的な疑問なのですが、私の「イルの冒険」はいずこ…。

 フォーランズで生まれてすぐ、両親を亡くし彼女は教会に預けられた。彼女は物心つく前だったので何も覚えてなかった。だが、預けられた自分と同じような子達の仲には、家族が向かえに来ることがあった。それを見て、自分にももしかしたら、と何度も思った。
 「誰も、来なかった……」
 目をつぶって何度も寝ようとした。昔のことが自然と頭に浮かんでは消していった。眠れなかった。
 白々と夜が明けたころ、彼女は眠れた。そして、彼女が目覚めたのは、少し太陽が昇っていた。はっとして飛び起きた。
 「ご、ごめんなさい。私……」
 「おはよう、カルミア。よく眠れた?」
 ルイが、今顔を洗ってきたのよ、と言って鞄にタオルをつっこんでいた。バルクは今起きたばかりのような顔をして、ぼうっとしている。それに比べ、アニムはもう何時間も前から起きているようで、受け答えもしっかりしている。
 「今朝は乾パンだ。よいか?」
 「はい、食べられないよりはずっといいえす」
 ルイが水を汲んで、例のあのお茶を入れていた。
 「ほんと、いい香りね。このお茶」
 「ほんとね、何のお茶?」
 「ウルの葉だって」
 「……そう、ウルの葉だったのね」
 「ほう、ウルはうまいお茶だぞ、ルイ。それに、よく昔を思い出させるっていうらしい。もっとも迷信だがのう」
 「へえ、そうなんだ。バルク、いつまでぼうっとしてんの?」
 「ああ? ああ。ふーん。思い出させるお茶か」
 「何か思い出したの?」
 「ああ、ガキのころに聞いた話をな。おい、アニム、乾パンもらうぜ。うわっ、お前、それにジャムのせるのか」
 「悪いか?」
 「わるかねえが……」
 ルイに手渡されたお茶のカップをカルミアは長い間眺めていた。



草うららか |MAIL

My追加