気まぐれ日記
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結構キャラバンハートにはまってますね。ところで、すごい個人的な疑問なのですが、私の「イルの冒険」はいずこ…。
フォーランズで生まれてすぐ、両親を亡くし彼女は教会に預けられた。彼女は物心つく前だったので何も覚えてなかった。だが、預けられた自分と同じような子達の仲には、家族が向かえに来ることがあった。それを見て、自分にももしかしたら、と何度も思った。 「誰も、来なかった……」 目をつぶって何度も寝ようとした。昔のことが自然と頭に浮かんでは消していった。眠れなかった。 白々と夜が明けたころ、彼女は眠れた。そして、彼女が目覚めたのは、少し太陽が昇っていた。はっとして飛び起きた。 「ご、ごめんなさい。私……」 「おはよう、カルミア。よく眠れた?」 ルイが、今顔を洗ってきたのよ、と言って鞄にタオルをつっこんでいた。バルクは今起きたばかりのような顔をして、ぼうっとしている。それに比べ、アニムはもう何時間も前から起きているようで、受け答えもしっかりしている。 「今朝は乾パンだ。よいか?」 「はい、食べられないよりはずっといいえす」 ルイが水を汲んで、例のあのお茶を入れていた。 「ほんと、いい香りね。このお茶」 「ほんとね、何のお茶?」 「ウルの葉だって」 「……そう、ウルの葉だったのね」 「ほう、ウルはうまいお茶だぞ、ルイ。それに、よく昔を思い出させるっていうらしい。もっとも迷信だがのう」 「へえ、そうなんだ。バルク、いつまでぼうっとしてんの?」 「ああ? ああ。ふーん。思い出させるお茶か」 「何か思い出したの?」 「ああ、ガキのころに聞いた話をな。おい、アニム、乾パンもらうぜ。うわっ、お前、それにジャムのせるのか」 「悪いか?」 「わるかねえが……」 ルイに手渡されたお茶のカップをカルミアは長い間眺めていた。
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