気まぐれ日記
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2003年10月23日(木) ハイジ

 やっとビデオ見終わりました。長かった。家族三人で、こんなにつっこみを入れて見れるアニメでした(笑)
 結論、おじいさんは三人いる。一人はハイジとともに過ごし、一人は留守の山小屋に、もう一人は夏の間、村にある家の手入れをしている、らしい。気にしないでください。妹の妄想です。

 「ただ今、フォーランズ方面は時化のため、この船はビアソーイダに航路を変更します」
 「そうか、それは好都合だ。小生らはビアソーイダに向かうつもりだったのだ」
 「そうですか」
 「連絡ありがとう」
 「いえ、これも仕事です」
 船員が一礼すると、隣の部屋のドアをノックした。
 船は順調だったが、昨日から天気が崩れたためほとんどの乗客は部屋に引っ込んでいた。アニムたちもそんな客だった。
 「うぐっ」
 「うわっ! レトまたか!」
 バルクが洗面器を抱えて差し出した。獣人レトにはつらいつらい船旅だった。
 「やっぱり、おいていったほうがよかったかのう」
 普段でもゆれるのに、波が少し高いためか、船はたまに大きく揺れる。そのたびにレトは悲鳴を上げていた。
 「ルイは大丈夫かのう」
 ルイもまた、船には弱い。一年前、彼女が最初に乗ったときは起き上がることすらできなかったが、慣れると食事も取れるようになった。しかし、レトはルイよりも、かなり重症だった。
 「あ、アニムさん。聞きました?」
 カルミアだった。彼女は船に強いらしく酔った風もなかった。
 「ああ、ビアソーイダに変更だ」
 「ちょうどよかったですね。私は少し困りますが」
 「ああ、お主は帰らぬとならんだろう」
 「ええ、寄り道はできませんからね。でも仕方がないですね。時化では」
 「ところでルイは?」
 「具合悪そうにしてますが、あれほどじゃないですよ」
 レトのほうを見る。バルクが背中をさすってやっていた。レトは青い顔をしているが、吐くものはもうないらしく空吐きをしている。
 「アニム、なんか薬ないか?」
 「そうだのう。薬草から作ったのがまだ残っておる。それをやろう」
 多分、獣人には人間の薬はきつすぎるだろう。同じくエルフである彼にも人間の薬品は強すぎた。だから、バルクはあえて酔い止めに頼らずにいたが、レトのつらそうな姿に耐えがたくなったようだった。
 アニムも同じ気持ちだった。荷物を探り薬入れを取り出した。粉にした薬をバルクに渡す。
 「水は少し飲ませるといい」
 「わかった」
 「アニムさん、ルイさんにも分けてもらえますか?」
 「酷くなければ飲まぬほうがよいのだが……。薬草と入っても、この薬は強いからのう」
 「そうですか」
 「ルイはなんとかゼリー位は口にして折るのだろう? ならば大丈夫だろう」
 「わかりました。じゃあ、できるだけルイさんのそばにいますね」
 「ああ、頼む」
 船は航路を変えて、ビアソーイダに向かう。アニムたちの最初の目的地へ。


草うららか |MAIL

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