気まぐれ日記
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CMにて。「ずっと気になることがあるんですよ」「じゃあ、ずっと気にしていてください」言ってみたいー。
彼はぼんやりと座っていた。しばらくじっとしていた。 「なんだって今更魔法使いなんだ?」 この国のことはよく知らないが、王家のものは剣術に長けて、王族で城を守っているくらいだ、と聞いたことがある。 またぼんやりとしている。ふいに廊下が騒がしいことに気づいた。 「ばかばかばか、お兄様の馬鹿!」 「な、フレクア落ち着け。応接間の前だ」 「どうして、魔法使いを連れてきちゃだめなのよ。父様だって……」 がきん! 金属がぶつかり合う音がした。 「落ち着けって、だいたい魔法使いは人間ではいないだろ! でなきゃお前が連れてきたのは魔族かなんかだろ。剣抜くな」 「そんなの、構わないわ。魔族だろうとなんだろうと」 「だから。剣収めろってのに!」 彼は、なんだか背筋が寒くなった。一瞬のことだが。つい聞き耳を立ててドアのそばにいたが、そこから離れた。その瞬間、廊下側から剣が刺さり、刃が深々と突き出た。 「あっぶねー!」 彼はドアを主っきり開けて講義した。しかし、フレクアの兄は、 「フレクア。剣収めろよ。客人に怪我がなくてよかったな」 と、言った。 「間違ってたら、死んでるわい」 「ごめんなさい、魔法使いさん」 「妹の剣をはじくくらいしかできないか。まだまだ俺も修行が足りん」 フレクアの兄はふらりとその場を離れた。 「お兄様、また旅に出る気ですね」 「はあ?」 「私とトルフレお兄様は双子なんです」 「そいいやそっくりだな」 「はい。自分を磨くんだっていっては修行の旅に出ます」 「まあ、いいや。それで、王様は?」 「お父様を呼んでこようとしたんですが、途中でお兄様に見つかりまして、胡散臭い魔法使いは連れてくるなって」 「ほお……」 「で、でも、今の私たちは魔法使いにすがりたい気持ちなんです」 「なんで?」 「私たちの母様が、妊娠してまだ、目覚めないんです」 彼は、彼女の言葉を理解しようとした。並べ替えて付け足して、ようやく口を開いた。 「君のお母さんは妊娠中で、何らかの形で眠り続けているってことか?」 「はい、そうです。そう、言いたかったんです」 「かなり言葉を付け足したぞ」 「どうか、母様の呪いを解いてください」 それが、彼に課せられた問題らしい。
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