気まぐれ日記
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2003年10月26日(日) まねてみたい言葉

 CMにて。「ずっと気になることがあるんですよ」「じゃあ、ずっと気にしていてください」言ってみたいー。

 彼はぼんやりと座っていた。しばらくじっとしていた。
 「なんだって今更魔法使いなんだ?」
 この国のことはよく知らないが、王家のものは剣術に長けて、王族で城を守っているくらいだ、と聞いたことがある。
 またぼんやりとしている。ふいに廊下が騒がしいことに気づいた。
 「ばかばかばか、お兄様の馬鹿!」
 「な、フレクア落ち着け。応接間の前だ」
 「どうして、魔法使いを連れてきちゃだめなのよ。父様だって……」
 がきん!
 金属がぶつかり合う音がした。
 「落ち着けって、だいたい魔法使いは人間ではいないだろ! でなきゃお前が連れてきたのは魔族かなんかだろ。剣抜くな」
 「そんなの、構わないわ。魔族だろうとなんだろうと」
 「だから。剣収めろってのに!」
 彼は、なんだか背筋が寒くなった。一瞬のことだが。つい聞き耳を立ててドアのそばにいたが、そこから離れた。その瞬間、廊下側から剣が刺さり、刃が深々と突き出た。
 「あっぶねー!」
 彼はドアを主っきり開けて講義した。しかし、フレクアの兄は、
 「フレクア。剣収めろよ。客人に怪我がなくてよかったな」
 と、言った。
 「間違ってたら、死んでるわい」
 「ごめんなさい、魔法使いさん」
 「妹の剣をはじくくらいしかできないか。まだまだ俺も修行が足りん」
 フレクアの兄はふらりとその場を離れた。
 「お兄様、また旅に出る気ですね」
 「はあ?」
 「私とトルフレお兄様は双子なんです」
 「そいいやそっくりだな」
 「はい。自分を磨くんだっていっては修行の旅に出ます」
 「まあ、いいや。それで、王様は?」
 「お父様を呼んでこようとしたんですが、途中でお兄様に見つかりまして、胡散臭い魔法使いは連れてくるなって」
 「ほお……」
 「で、でも、今の私たちは魔法使いにすがりたい気持ちなんです」
 「なんで?」
 「私たちの母様が、妊娠してまだ、目覚めないんです」
 彼は、彼女の言葉を理解しようとした。並べ替えて付け足して、ようやく口を開いた。
 「君のお母さんは妊娠中で、何らかの形で眠り続けているってことか?」 「はい、そうです。そう、言いたかったんです」
 「かなり言葉を付け足したぞ」
 「どうか、母様の呪いを解いてください」
 それが、彼に課せられた問題らしい。


草うららか |MAIL

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