気まぐれ日記
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2003年10月28日(火) プリン

 を作る時のカラメルソースって危険ですよね、高温にもかかわらずなめたくてしょうがない。でも、私の作るのは苦いよ。今日は固まらないなと思っていたら、天板が二枚重なっていた……。たまに作るとこれだ。

 獣人レトには辛かった船旅も、その日が最後だった。彼はいくばくかよくなっていたが、顔色はまだよくない。彼は思った。
 帰りのことは考えたくない、と。
 ビアソーイダについた一行は港町で宿をとった。今から城下町に向かっても真夜中になるからだ。久しぶりの陸地の食堂にて、全員そろって食事を取る。
 「この地は初めてだ」
 アニムが言った。
 「あたしもー。バルクが嫌がっていかなかったのよねー」
 「バルクさん、この島の出身だったんですか?」
 「ああ、まあな」
 「これで、現国王の弟なんだからのう」
 「え、じゃあ……」
 「王子ってことはねえぞ。今の兄貴が王だからな」
 「いいえ、ビアソーイダ王族にとても一致していると思いました」
 カルミアが納得した顔で言う。
 「どんなふうに?」
 と、アニム。
 「剣術に長けていて、粗野で放浪癖があるって聞いています」
 「まあ、そのとおりだのう」
 「うるせー」
 「ねえ、バルク」
 ルイが甘えたような声でたずねる。
 「名産のチョコレートってどこで売ってるの?」
 「ああ、城下町だよ。ビールもな、そこに行かないと売ってない」
 「なーんだ」
 「ともかく、兄貴に頼めば空き部屋くらい貸してくれるだろうしよ」
 アニムは宿代がういたことににやりとし、ルイはお城に泊まれることにわくわくとした笑みを浮かべる。
 「私は、ここでお別れね」
 「カルミア?」
 「帰らなければならないから、ね」
 「そんじゃあ、今日が最後の晩餐か。何食う?」
 ちょうど店員が注文をとりに来た。それぞれが注文をする。一人足りない。
 「レト? レト!」
 「うぇえ……。まだゆれるー」
 今までずうっと黙っていた彼はまだ船酔いが続いていた。
 「気持ち悪い……」
 「重症だのう……」
 「寝ていたほうがよさそうね」
 バルクは彼に肩を貸して先に部屋へ連れて行った。


草うららか |MAIL

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