気まぐれ日記
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を作る時のカラメルソースって危険ですよね、高温にもかかわらずなめたくてしょうがない。でも、私の作るのは苦いよ。今日は固まらないなと思っていたら、天板が二枚重なっていた……。たまに作るとこれだ。
獣人レトには辛かった船旅も、その日が最後だった。彼はいくばくかよくなっていたが、顔色はまだよくない。彼は思った。 帰りのことは考えたくない、と。 ビアソーイダについた一行は港町で宿をとった。今から城下町に向かっても真夜中になるからだ。久しぶりの陸地の食堂にて、全員そろって食事を取る。 「この地は初めてだ」 アニムが言った。 「あたしもー。バルクが嫌がっていかなかったのよねー」 「バルクさん、この島の出身だったんですか?」 「ああ、まあな」 「これで、現国王の弟なんだからのう」 「え、じゃあ……」 「王子ってことはねえぞ。今の兄貴が王だからな」 「いいえ、ビアソーイダ王族にとても一致していると思いました」 カルミアが納得した顔で言う。 「どんなふうに?」 と、アニム。 「剣術に長けていて、粗野で放浪癖があるって聞いています」 「まあ、そのとおりだのう」 「うるせー」 「ねえ、バルク」 ルイが甘えたような声でたずねる。 「名産のチョコレートってどこで売ってるの?」 「ああ、城下町だよ。ビールもな、そこに行かないと売ってない」 「なーんだ」 「ともかく、兄貴に頼めば空き部屋くらい貸してくれるだろうしよ」 アニムは宿代がういたことににやりとし、ルイはお城に泊まれることにわくわくとした笑みを浮かべる。 「私は、ここでお別れね」 「カルミア?」 「帰らなければならないから、ね」 「そんじゃあ、今日が最後の晩餐か。何食う?」 ちょうど店員が注文をとりに来た。それぞれが注文をする。一人足りない。 「レト? レト!」 「うぇえ……。まだゆれるー」 今までずうっと黙っていた彼はまだ船酔いが続いていた。 「気持ち悪い……」 「重症だのう……」 「寝ていたほうがよさそうね」 バルクは彼に肩を貸して先に部屋へ連れて行った。
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