この日は午前10時に池袋駅へ。 待ち合わせているのは他でもない。 下半身の底からアツイ男、とるねこだ。 なぜそんな早い時間に待ち合わせているのかと言うと 二人で温泉に行こう。 という話になったからだ。 温泉旅行という癒しの最上級にあげられるような すばらしい日本の伝統イベントに なぜムサイ男と二人で行かねばならないかは 読者の皆さんの想像に任せる。 と言うより、そっとしておくのが大人というものだ。
池袋駅からは 東武東上線に乗って北上する。 実はこの時点では私は行き先を知らなかった。 企画発案者のとるねこにすべてを委ねていたからだ。 そのまま妖しい土地へ拉致される危険もあったが 敢えて行き先を尋ねなかったあたりに 私の男らしさを感じてもらいたい。
初めて乗る電車に揺られること1時間ほど。 到着した駅は森林公園。 埼玉県は熊谷の近くだったと記憶している。
駅から出てみるとそこは田舎の風景。 池袋からたった1時間ほどなのに これほど景色が変わるものなのかと驚いた。 懐かしい匂いがする。 私の生まれた土地もこんな感じの田舎だった。 故郷と違うのは日差しと気温。 暑すぎる。 日陰を伝って歩く僕に 同行者であるところのとるねこは 「ヘタレ」などと暴言を吐いていた。 忘れないようにメモっておいた。
駅前の蕎麦屋でメシを食い、 そこの店員に温泉までのバスは12時10分に出ている。 という情報を得てゆったりとバス停へ向かえば 実は12時きっかりにバスは出ていたという そして次のバスは1時間後だという 一体なんの嫌がらせだろうかと思った。 仕方がないのでタクシーで向かったが 結構、高かった。
着いた温泉の名は「四季の湯」 四季と書いてトキと読む。 意味がわからない。 おそらく「強敵と書いて友と読む」の仲間だと考えられる。
そこは山の中にポツンとあって 温泉街のようにたくさんの温泉宿が軒を連ねているのとは違い どちらかというとリゾート地的な感があった。 おまけに平日だったせいか人が少ない。 これなら精神的にも安らげそうだ。 とるねこちん。グッドチョイス。
早速、フロントへ。 せっかくなので 温泉+マッサージ+食事 がセットになったプランを選択。 畳み掛けるように風呂へ。
これがまたまた良い湯。 少し濁っていて塩気がある。 ナトリウム。とか。塩化。とか書いてあったので まぁ、塩のことだろうとは思う。
露天風呂に浸かり、 水風呂に入り 泡風呂を経て 燦々と照りつける太陽の元 これでもかというほど浸かりまくった。
もちろん混浴にも入った。 ていうか入らないなんて有り得ない話と言える。 むしろ混浴こそ露天風呂の真骨頂だと私は考える。 混浴なくして人生楽しめるだろうかいや楽しめない(倒置法) ただ惜しむらくは、水着着用が義務付けられていたことと 若い女性がいなかったことだ(致命的) まぁ、高さ9mもある打たせ湯もあったことだし 許すことにする(唇かみ締めつつ)
その後、休憩がてら一度風呂を出て マッサージを受けることにする。 なにを隠そう私はマッサージを受けるのは生まれて初めてだ。 そう。初体験(顔を赤らめつつ) 痛くないか心配だったが これがまたすばらしく気持ちが良い。 危うく寝そうになった。 マッサージ士の人が年配のおばちゃんだったから 上手だったし余計に安らげた。 これがもし若いお姉さんだったら これほどまでには安らげなかったろう(いろんな意味で)
20分という時間制限だったので 終わった後にとるねこと二人で 短すぎる。という意見が一致し あとで再びマッサージを受けることにする。
そしてもう一度風呂へ。 温泉は何度も出たり入ったりするのが良い。 今度は半身浴などで軽く流す。 それだけでも十分汗が吹き出てくる。 自分の腕や胸から汗が流れ落ち 伝っていくのを黙って感じながら 山に吹く風を楽しんだりした。 これこそ温泉だ。癒しだ。素晴らしい。
風呂から上がってメシにする。 ソバがえらく旨かった。 コシがある。 気に入ったので土産やで生ソバを買った。
それから足ツボ指圧をやってみる。 僕は基本的に健康であるし 自分で足の裏を押したくらいでは 全然痛くもなかったので 別に平気だろうと思っていたら これが大間違いで えらく大変な目にあった。 ミリミリ。とかミチミチとか 変な音がしてたと思う。 どうやら僕は腰あたりが弱っているようだ。 あと目とか腕とか頭とか。 内臓は比較的なんともなかったと思う。 それにしてもほんと痛かった。 なぜか左足の方が痛かったが それは右半身が疲れているということだろうか。
足ツボをしてくれたお姉さん(30代くらい)は なかなかステキな女性で 笑顔のかわいい(おそらく人妻)だったが 腕をみると血管ムキムキで筋肉質。 まるで男の腕だった。 やはりこういう仕事をしていると そうなるのだなぁと思ったりした。
さて。私の足ツボマッサージも無事に終わり 続いて同行者であるところのとるねこの番であるが 彼は始める前から 「俺は叫ぶから」 と宣言していた通り、 びっくりするくらいのヘタレぶりでもって 「あっ。あひっ。」 などと声にならない声を発していた。 ちなみに口は常時開いていた。 その表情を記念撮影したのが みなさんに見せられないのがとても残念だ。
そうこうしてる間にすでに5時を過ぎてしまったので 帰途につくことにする。 私がトイレに入ってる間に バスが行ってしまい 1時間ほど待つハメになったが 同行者であるところのとるねこは 笑顔で許してくれた。 愛を感じた瞬間だ。
正直言って、帰るのはとても面倒だった。 バスで15分。電車で1時間。 それでようやく池袋だ。 比較的近いとはいえ 温泉に入ってマッタリした後に 混み合った電車に乗るのは気がめいる。 自分の家に温泉ほしい。
途中、池袋でとるねこオススメのパスタ屋で 舌鼓を打ちつつ 新宿でお別れ。 家に帰りました。
総合的に見ると大成功の温泉旅行だったのではないかと思います。 急遽計画を立ち上げて行った割には 満足できるものでした。 とるねこに感謝。 とても楽しかったです。 男二人で旅をするのも悪くないね。 でも今度は女連れて来い(煙草プカァー) また行こう。
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