本日付で塾講師が終了した。 たった15回の講義でしかなかったけど、やはり情は移るもので、 「今日はここまで、起立、礼」がなかなか切り出せなかった。
『上手な授業はできなくても、誠実な授業をしよう』
15回、ずっとそう思いながら授業を展開してきた。 用意されたテキストに対する予習を丹念に行ったことは勿論、 毎回の文法プリントを既製品ではなく自家製にしたのも、その決心の表れの一つ。 時間はかかったが、どこに重点を置くべきなのか、何が必要で何が不要なのか、 試行錯誤は私の頭の中にだけあった古典文法教育法に大いなる刺激を与えてくれた。 生徒にとって、私がどのような教師であったかは分からないし、 不慣れな様子に不安を覚えたこともあっただろうと思う。 それでも、少しでも私の誠意が伝わったならばこれほど嬉しいことはない。
帰り際、自習室で勉強していたはずの生徒がわざわざ職員室まで来て、
「先生、お疲れっ。身体に気ぃ付けてな」
素直に嬉しかった。 だから、教師への夢は捨てがたいのだと改めて思う。
夕飯は、駅で友人と待ち合わせをした。 大学時代の一番の悪友も今ではすっかり社会人である。 それでもマックで馬鹿な話をしているとふと肩の力が抜けて、 やっと「教師」から「院生」に戻ったのを感じた。
夏の終わりが見えた一日。
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