| 2001年08月28日(火) |
『白い犬とワルツを』 |
最近本屋で気になっていることがあった。
『白い犬とワルツを』(テリー・ケイ/新潮文庫)
やたらプッシュされているこの本、私の記憶が確かならば、 平成10年、つまり3年前に文庫化して発売されていたはず。 (だって、本棚に並んでいるんだもの、間違いないって) 何故今頃こんなに話題になるのだと首を傾げていたら、
「映画化決定」・・・なぁるほど、映画にしやすそうだもんね。
ということで、本棚から引っ張りだして再読してみることにした。
物語は、愛妻に先立たれた81歳の老人サムの今後を 子供達が案じて相談を始めるという場面からスタートする。 現代の社会だったら、年老いた父親の押し付け合いなんていう 聞くも語るも恐ろしい骨肉の争いなんかがあるんだろうけど、 この話では最初から最後まで子供達は皆父親を愛し続けている。 そして、老人サムは最初から最後まで亡き妻を愛し続けている。
このテの話は海外作品では決して珍しくないのだと思う。 でも、日本の小説にはまずありえない気がするのは何故だろう? やはり作品の根底に流れる宗教の違いなのだろうか。 この作品にも脈々とキリスト教の教えが流れている。
結局、「白い犬」の正体が何だったのか。 サムが考えたとおりなのかもしれない、違うのかもしれない。 この際、「白い犬」の正体が何だったのかは問題にしないで、 「あなたには見えますか?」・・・ココに着目しよう。
今はまだ分からない、おそらく見えないのだろうと思う。 ただ年を重ねて、息を引き取る間際、 自分にとっての「白い犬」が見えたらいいなと願うのみ。 そんな生き方ができることを祈るのみ。
|