| 2001年09月06日(木) |
小さな命が喪われるということ |
今日は家で論文を読もうかと思っていたが、来客があるというので一路図書館へ。 (来客は祖母の友人、そういう来客ならば大歓迎なので全然問題なし)
市立図書館はちょうど母校の高校の前にあるから、通い慣れた道である。 かつてのごとく自転車を走らせている途中、ふと視界に「何か」が入った。 「猫」、道路の脇に仔猫が横たわっていた。 否、死んでいたとしたほうが正しいか。
フラッシュバック。
小学校の時、友人と一緒に犬に追いかけられたことがある。 二人で必死で逃げて、ほとんど反射的に大通りを渡った。 犬はやはり追いかけてきた。
そして自動車にはねられた・・・目の前で。
幼い私にはあまりにも衝撃的な出来事だった。 友人と相談して、一度家に帰ってから再び戻ってくると、 犬は道路脇に寄せられていた。 まだ息をしていた、足から血が出ていた。 荒い息の下、私達を見て「くぅん」と小さく鳴いた。
私は犬の前に家から持ってきた水とハムを置いた。 友人はポケットの中のハンカチを犬にかけてやった。 それが最初で最後のその犬との交流になった。
今から思えば、我ながらおかしな行動だ。 事故に遭って苦しんでいる犬がどうして呑気にハムなど食べるだろうか。 それでも当時の私にできる精一杯のことだったのだろうと思うと、 おかしくもあり、哀れでもあって、切なくなる。 この羨ましいほどの無邪気さを私はきっともう失ってしまったのだ。
図書館からの帰り道にはすでに仔猫の姿はなくなっていた。 あの日も小雨が降っていたことを、灰色の空を仰いで、ふと思い出した。
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