今日は国語国文学会理事会という名のくだらない会議に出席。 院生は絶対参加のため、逃げることは許されないのだ。 しかし、台風直撃は免れたものの余波はしっかり暴れている中、 片道2時間かけて大学に行く苦労を少しは分かっていただきたい・・・K教授。 まぁ、欲しい論文を4本ゲットしたのでイーブンにしようと心に決めた。
本日の一冊: ・『華胥の幽夢』(小野不由美/講談社X文庫ホワイトハート)
先日読了したばかりの「十二国記シリーズ」最新刊である。 今回は初の短篇集ということもあって結構気軽に読んでしまったのであるが、 私の中では小野不由美は長編作家と認識されていたため(参考:『屍鬼』/新潮社)、 正直にいえば、実はちょっとだけ手放しでは喜べない心境であった。 なぜなら、基になる長編(しかもかなり人気)があったうえで編まれた短篇集は、 不完全燃焼に終わることが多いからである(あくまでも自論であるが)。 その最大の理由としては、そのテの短篇集によくある「コレだけでも十分楽しめる」的優しさが、かえって設定説明の重複などで手間取らせて、作品を中途半端な仕上がりにしてしまっていると私は考えているのであるがいかがなものか。
ともかく、今作品についてどうだったかというと。 うまい具合に気が抜けたまとまりある短篇集であると考える。 多くのことを凝縮して詰め込むのでもなく、結論を焦って急展開に転がるのでもなく、 分量に応じた時間枠に主旨が明確な事件がすっきりと収まっている。
・・・その中に「書簡」という短篇があった。
「本当に順風満帆ははずなんてないって分かってるからこそ、 それでも平気だって言って、しゃんと背筋を伸ばしている様子を見ていると、 私もしゃんとしよう、元気を出して頑張ろうって気になる」
友人・楽俊が頑張っている姿を便りで知って、若き女王・陽子が言う。 それを聞いた女官・玉葉が「空元気はお見通しなんじゃ?」と尋ねると、以下。
「そんなの、分かってるよ。お互いにそうなんだ。――だから、それでいいんだよ」
「それでいいんだよ」 言い切ってしまう潔さが身に染みた。 かなり気に入ったシーンなので書き留めておく。
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