6:20起床。 習慣どおりにテレビを点けると、画面の中で一気に高層ビルが崩れ落ちていった。
(何で朝から映画なんてやってんだ?)
一瞬間で脳が弾き出した解答がソレだなんて・・・ 寝ボケてるどころか平和ボケだと自己嫌悪に陥るしかないじゃないか。 図書館に行こうと前日から用意してあった鞄を抱えてテレビの前に座り込む。 9時、10時、11時・・・やっと図書館に出かけたのは14時過ぎ。 一時間後に帰ってきても依然ニュースが続いていて、ますます朝の自分が悲しくなった。
アナウンサーが慌しく告げる。 「日本人の安否は・・・」 「日本人滞在者の確認は・・・」 「日本人は・・・」「日本人は」「日本人」『日本人!』
どこかで聞いたことがある?
♪あの偉い発明家も 凶悪な犯罪者も みんな昔子供だってね 外国で飛行機が墜ちました ニュースキャスターは嬉しそうに 「乗客に日本人はいませんでした」「いませんでした」「いませんでした」 そう歌っていたのは、The Yellow Monkeyだ。 「JAM」、あの時はなんて皮肉な歌だろうと驚いたっけね。 でも、皮肉を言えるのは安否を案じねばならないような身内がいないからだ。 大変だ、非常事態だと騒ぎながらも、客観視している。 「日本」を強く思う気持と「世界」のこれからを案じる気持が、 くっついたり、離れたりを繰り返している。
♪僕は何を思えばいいんだろう ・・・私は何を思っているのだろう?
米国、ハイジャックされた飛行機から息子の電話を受けた母親が、
「・・・(息子が)『愛してる』って言うんですよ・・・」
放心して泣きながらも、存外穏やかで微笑みすら湛えているから、 人間は本当に悲しい時には上手く泣くことさえもできないのだと知った。 それはきっと国境など遥かに越えた万人共通の哀れかつ不器用な性だ。
『愛してる』
こんなにも哀しく、美しい最期の言葉を知って、人は何を思う?
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