| 2001年10月27日(土) |
「the Straight Story」 |
よく晴れた昼下り・・・一昨日借りてきておいたビデオを観て過ごす。 これが贅沢な過ごし方なのか、それとも不毛な過ごし方なのかはその人次第。
学部生時代は、友人と3人で映画を観に行く機会が多かった。 彼女達と「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」と「ナヴィの恋」を観てから、 残り一作を観れば我々の“老人三部作”は完結だ、と笑ったことがある。 あれから一年以上、その残す一作こそがまさに「the Straight Story」 だった。 我ながら随分勿体ぶったことだと苦笑してしまうのであるが、 先に村上龍がノベライズした作品を読んでしまったことも一因であるに違いない。
ストーリーは単純。 高齢の老人が農作業のためのトラクターを延々走らせて、兄に会いに行く。 その道々で様々の人と出会い、すれ違っていく。 今作では、小説のほうは会話文の他にどうしても地の文が入るが、 映画では地の文はすべて映像として現せるのでさらにスリムになる。 もともと会話も少ないから、非常に淡々と流れていく。 でも、老人の表情が全てを語っている、要所要所の言葉に生命が宿る。 ありふれた教訓のようで、そうではない、 老人が自らの人生で培ってきたからこそ、言葉に重みがある。 ただ、結局そこから何を感じるのかは当人次第であるから。 感動する人もいる、鼻で笑う人もいる、どれも間違ってはいない。
今回に限っては、映画も小説も両方とも優劣つけがたし。 ただ、一つだけ映画を観ている間も浮かんできた地の文があったので、 その衝撃度に敬意を払って、以下引用して本日は〆。
It's been a pleasure... I don't know of any phrases Americans use in dairy conversation that are as appealing as this one. It was good to get to know you,good to spend some time with you... which means I estreem the time me shared,and I estreem you.
(楽しかったよ、アメリカ人がいつも使う日常語の中で、これほど良い言葉を 私は他に知らない。あなたに知り合って良かった、一緒に時を過ごせて良かった、 それはあなたと共有した時間と、あなた自身に価値があったということだ)
・『the Straight Story』(村上龍作&F.McCarthy英訳+はまのゆか絵/集英社)
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